p-オクチルフェノール | 化学物質過敏症 runのブログ

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・東京都健康安全研究センター環境保健部生体影響研究科より


C-2-b-3.p-オクチルフェノール(p-Octylphenol)  

1)ヒトの健康影響に関連する情報
エストロゲン作用のある化学物質に職業暴露された女性従業員への質問による乳癌発生との関連についての調査報告である.

PCBs 及び 4-octylphenol 暴露群のみに中等度の乳癌発生の増加が認められた1).

アルキルフェノールの項を参照のこと.

2)内分泌系・発生過程に対する影響
CF-1マウスの妊娠11-17日に bisphenol A (BPA),octylphenol 添加飼料摂取 (量的には2ng/g,20ng/g/体重).BPA 2ng/g 投与で包皮腺のサイズの増加.精巣上体サイズの減少.

20ng/g で精子産生の有意な減少を認めた.Octylphenol は2ng/g 投与でのみ精子産生に対する減少を観察.In vivo での低濃度暴露による影響を示唆2).

Wistar ラット雌の授乳期間 (出生後1-22日) または雌の交配2週間前より妊娠期間授乳期間を通して,飲料水に octylphenol 10,100,1000μg/l の割合で投与,生後90日での雄の精巣に関して観察.

1000μg/l 群で精巣重量減少,前立腺重量やや減少,精子産生減少3).

Wistarラット幼若雌 (23日齢) に octylphenol 10mg を3日間皮下投与.子宮重量が対照に比べ2倍に増加4).

3)実験動物での臓器障害性に関する情報
【4-octylphenol,CAS No. 1806-26-4】
出生児の精巣・前立腺重量減少,精子数減少:ラット (母獣) 妊娠1日目-生後22日間 (経胎盤・授乳を介した投与) 90-95日齢後5)
【4-tert-octylphenol,CAS No. 140-66-9】
精子数の減少,精巣・精巣上体・前立腺・精嚢・凝固腺重量の減少,精子形態の異常:ラット 20,80mg×3回/週 1,2ヶ月間6)
LH (luteinizing hormone),FSH (follicle stimulating hormone),testosterone 量の減少,prolactin 量の増加:ラット 20,80mg×3回/週 1,2ヶ月7)

4)腫瘍発生に関する情報
該当する文献は見いだせなかった.

5)変異原性に関する情報
該当する文献は見いだせなかった.

6)致死毒性に関する情報
LD50 25mg/kg マウス 腹腔8)
LC50 0.09mg/l (48時間) ミジンコ (Daphnia magna) 水中暴露9)