・wikipediaより
マイレックス(英: Mirex)は有機塩素化合物の一種。
殺虫剤や難燃剤として使用された。現在は残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約により製造および使用が禁止されている。
用途 [編集]
アメリカンサイアナミッド社(現BASF)が開発した殺虫剤。
1946年にプリンス(Hendrik Jacobus Prins)により発見され、1955年に火蟻に対する殺虫剤として使用が始まった。
多くの場合、トウモロコシの軸85%に大豆油14.7%、マイレックス0.3%を加えた毒餌として散布された。
「Dechlorane(デクロラン)」などの商品名があったが、日本では農薬登録を受けなかった。
分解されにくさと親油性があるため普及したが、そのことが生物濃縮の原因となり、アメリカやカナダでは1978年に使用が禁止された。
製法 [編集]
塩化アルミニウムの存在下で、ヘキサクロロシクロペンタジエンの二量化によって製造される。
安全性 [編集]
半数致死量(LD50)はラットへの経口投与で600mg/kg(コーン油添加)[1]。ラットへの経皮投与の場合は2000mg/kg以上[1]。
国際がん研究機関(IARC)は発癌性についてグループ2B(人に対し発癌性があるかもしれない)としている。
ニジマスの96時間半数致死濃度(LC50)は0.023mg/L[1]と強い魚毒性を持ち、分解されにくいため長期間環境に影響する。
分解生成物としてクロルデコンを生じる。