・2.2.2.2.2 地中ケーブル
高電圧線が地中に敷設された場合、各導体は絶縁されており、架空線よりも接近して敷設することができる。
これによって生じる磁界が少なくなる傾向がある。
しかし、導体は10m 頭上
ではなく1m 地中に存在することになり、その距離はより近くなる。
正味の結果は、地中ケーブルの側に生じる磁界は同等の架空線よりもかなり小さいが、経路自体の線上にある磁界は高くなる可能性がある。
表7 に、英国の地中ケーブルの例を示す。
表7 地中ケーブルによる界の地上1mでの計算例a
電圧 詳細 位置 負荷
中心線からの距離ごとの磁界(μT)
0m 5m 10m 20m
400kV および275kV
トラフ空間 0.13m 最大83.30 7.01 1.82 0.46
深さ 0.3m 平均20.83 1.75 0.46 0.12
直接埋設空間 0.5m 最大96.17 13.05 3.58 0.92
深さ 0.9m 平均24.06 3.26 0.90 0.23
132kV 分離コア空間 0.3m、
深さ1m
平均9.62 1.31 0.36 0.09
単一線深さ 1m 平均5.01 1.78 0.94 0.47
33kV 単一線深さ 0.5m 平均1.00 0.29 0.15 0.07
11kV 単一線深さ 0.5m 平均0.75 0.22 0.11 0.06
400V 単一線深さ 0.5m 平均0.50 0.14 0.07 0.04
a 出典:National Grid、2007a
送電線の電圧によっては、複数の導体をシースで覆い1 本のケーブルにする場合がある。
導体間の距離が狭まるだけではなく、導体は通常螺旋状に巻かれているため、生じる磁界はかなり小さくなる。