・2.1.5磁界に対する乱れ、遮蔽
磁界は、相対透磁率が非常に高い物質の乱れを受ける。
これは磁界が乱れを受けるのは強磁性体からのみであることを意味しており、最も一般的な例は鉄およびその化合物または合金である。
こうした物質からなる物体では、磁界が物体を出入する高度磁界域が生まれ、これに応じて、側面の磁界強度を低下させる。
ELF 磁界をこうした物質で遮蔽することは、実用上は小さな領域、例えば、VDU を磁気干渉から防護するための1 つのオプションにすぎない。
別のオプションとしては、磁界強度を低減する現実的意味合いはほんのわずかだが、特別設計の磁界発生源で、磁界を補償することである。
電界は磁界とは対照的に、比誘電率(誘電性)が高い材料により、また導電性物質の場合は更に大きな度合いで、容易に乱される。導電性の被覆は、内部電界を除去する。
導電性物質は外側の界も乱し、電界に沿って強度を増加させ、また側面の電界強度を低下させる。
商用周波数では、金属性の箱は実質的に完璧な遮蔽となり、また、建物は十分な導電性をもって、外部発生源による内部電界を10~100 分の1 かそれ以下に低下させる。
電界が特に影響を受けるのは、大地だけでなく、樹木、生け垣、フェンス、多くの建物および人間をも含む接地された導電性物質である。
どのような導電性物質も、電界により誘導された電荷をもつ。
この場合、誘導電荷自体は、電界を構成する電荷セットの一部を構成する。こ
の結果、例えば、送電線により生じた電界を決定するためには、電路の導体の位置だけでなく、これら導体に対する地面の相対位置およびその他の導電性物体の位置を考慮することが必要になる。
電力線に対する人のばく露についていうと、人に比べて背の高い縦の物体(例えば樹木または家屋)の近くでは、地上での屋外ばく露は小さくなる。