・おくすり110番より
成分(一般名) : クロチアゼパム
製品例 : リーゼ錠5mg~10mg、リーゼ顆粒10%
区分 : 神経系用剤(含む別用途)/チエノジアゼピン系/心身安定剤
概説 気分をリラックスさせるお薬です。不安や緊張感をやわらげたり、寝つきをよくします。
【働き】
このお薬は、おだやかな作用の心の安定薬です。
不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせます。
神経症やうつ病など精神的な不具合にはもちろん、心身症のような体の不調が前面にでる病気にも使われます。
心身症は、精神的な要因や自律神経の乱れがもたらす体の不具合です。
たとえば、ストレスで血圧が上がったり、胃腸の調子が悪くなったり、心臓がドキドキしたり、また、女性では生理不順を起こしたりします。
実際の処方例としては、不安神経症やパニック障害など各種神経症を中心に、上記のような症状を呈する心身症、うつ病や不眠症、自律神経失調症、更年期障害などに処方されています。
さらに、筋肉をほぐす作用があるので、緊張型頭痛や頸椎症、腰痛症、肩こり、けいれん性の病気などに応用されることも多いです。
このように、この系統の薬は副作用が少なく安全性が高いこともあり、各診療科でいろいろな病気に幅広く使われています。
【薬理】
脳のリラックス系の神経受容体「BZD受容体」に結合することで、リラックス系の神経を活性化させます。
抗不安作用のほか、次のような作用をあわせもちます。
抗不安作用..おだやかな作用で不安や緊張感をやわらげます。
鎮静・催眠作用..興奮状態やイライラをしずめたり、寝つきをよくします。
同系の薬で、とくに催眠作用の強いものは睡眠薬として用いられています。
筋緊張緩和作用..筋肉のこわばりや、つっぱりをほぐす作用があります。そのため、がんこな肩こり、腰痛、緊張型頭痛などにも応用されます。
抗けいれん作用..けいれんを予防したり抑えます。
特徴 チエノジアゼピン系の緩和精神安定剤(マイナートランキライザー)です。
抗不安薬とか心身安定剤とも呼ばれます。
作用的には、ベンゾジアゼピン系とだいたい同じです。安全性が高く、耐性や依存も少ないです。
同類薬のなかでは、作用がおだやかなほうです(作用/時間:弱/短)。催眠作用や筋肉をゆるめる作用が弱く、高齢の人にも向きます。
効能 心身症(消化器疾患,循環器疾患)における身体症候ならびに不安・緊張・心気・抑うつ・睡眠障害。
次の疾患におけるめまい・肩こり・食欲不振/自律神経失調症。
麻酔前投薬。
副作用
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感、脱力感。
長期連用で効き目が悪くなる。