肺胞低換気症候群4 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・7. この病気にはどのような治療法がありますか
この病気の治療法は呼吸を大きくすることが必要で、呼吸を刺激する薬を使ったり、鼻マスクを用いて睡眠中に人工呼吸をします。

これらの方法がうまくいかないと、気管切開をして人工呼吸を行います。

また、主な吸気筋である横隔膜を刺激する横隔膜ペーシングが行われますが、この場合は埋め込み手術が必要です。

また、同時にともなう低酸素血症の治療のために酸素吸入を行うこともあります。

呼吸を刺激する内服薬としては以下の薬があります。

プロゲステロン製剤(黄体ホルモン)
中枢性の呼吸刺激作用があると考えられているが、原発性肺胞低換気症候群のように肺機能が正常であると有効です。

しかし、副作用として男性ではインポテンツなどがあります。

アセトゾラミド
血液を酸性にすることにより呼吸刺激作用がありますが、プロゲステロン製剤のほうが作用は強力です。

酸素吸入
肺胞低換気により、動脈血中の酸素が低くなると酸素吸入をすることもあります。

肺の病気による場合と同じように、酸素の供給減として、酸素ボンベ、空気中より窒素を除き、酸素を供給する酸素濃縮器、液体酸素ボンベを使用して在宅酸素療法を行います。

4で説明しましたように、中枢性の低酸素抑制の強い人では、酸素吸入により、抑制がなくなり換気が増加する可能性もあります。

しかし、酸素吸入では低換気は改善されない人もあり、この場合は換気量を増加させる他の治療法が必要です。

在宅人工呼吸
人工呼吸の方法
長期の人工呼吸として、気管切開下人工呼吸が行われてきましたが、気管切開などの気道確保を絶対的に必要するとは限らないため、近年、気道確保せずに、鼻マスクなどを使用した非侵襲的陽圧人工呼吸で、人工呼吸が可能となり、気管切開下人工呼吸に劣らない継続率が得られており、それぞれの人にあった方法が選ばれます。

鼻マスク陽圧人工呼吸では、高炭酸ガス血症をともなう慢性呼吸不全が対象となり、気管切開などの気道確保の必要のない、誤嚥のない肺胞低換気症候群、呼吸器疾患、神経・筋疾患の患者さんが主な対象となります。

鼻マスクを使用する場合には口を閉じておく必要があるために患者さんの協力が必要となります。

どうしても口を開いてしまう場合には鼻・口を覆うフェイスマスクの使用が可能ですが、死腔量が大きく、効果が劣る場合があります。

肺胞低換気症候群で、呼吸不全の主因である低換気を良くしますと、血液ガスの改善により、日常活動の障害がなくなり、生活範囲が改善する可能性があります。

非侵襲的陽圧人工呼吸の導入
高炭酸ガス血症のために人工呼吸器による呼吸(換気)の補助が必要となれば導入することになります。

動脈血の炭酸ガス分圧が60-70mmHg前後で、導入されることが多く、睡眠時の呼吸異常が高度ですと、低い値で開始され、通常は夜間行います。

患者さんの納得・協力が前提です。

陽圧呼吸をしますと、最初は不快感が強いことが多いのですが、患者さんには誰でも最初は不快ですが、次第に慣れるからと説明します。

数分間行い、休んでは装着時間を長くして、慣れてもらいます。

動脈血の炭酸ガス分圧 が10 mmHg程度以上低下するように人工呼吸器の圧力(気道内圧)、換気量を設定します。

非侵襲的陽圧人工呼吸に慣れ、夜間睡眠可能となり、人工呼吸器の取り扱いに慣れ(患者さんのすることは、通常は酸素を流すことと、電源をオンにするだけです。)、自分で装着できるようになるまで、通常数日から1カ月程度を要します。

自己管理可能となれば在宅で人工呼吸を行います。