・原因諸説 [編集]
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・CFSの機序・病原については、国内外とも、生理学・疫学的な研究を含む多くの研究がされているがはっきりしない。
アメリカの医療従事者向けの治療ガイドには、3,000以上の研究報告が存在し、CFSは生理学的な病気である十分な科学的証拠がある[2]と記されている。
また、2008年発刊のトキシコロジージャーナルには、CFSは、主として神経・内分泌・免疫系統の機能不全の一群であるとし、外因性の化合物・感染症・ストレス・幼少期の虐待等がCFSを起こす要因である可能性があると述べている。[3]しかし依然、明確に説明できるような原因は見つかっていない。[4]
過去、発症要因と考えられたものには以下のようなものがある(患者により異なる)
風邪、 発熱 (インフルエンザ等)
ストレス、 トラウマ
感染症(細菌、真菌、ウイルス)
外傷
その他 (化学物質、 紫外線、 アレルギー、外科手術、 出産 、遺伝、環境 など)
かつては原因不明の未知の病気とされたが、決定的な病因は特定されていないものの、そのメカニズムは徐々に解明されつつある。
大阪市立大学の研究によると、中でも種々の生活環境ストレスが第一の病気を発症させる引き金になっているとされる。
CDCによる近年の研究では、身体がストレスに対応するのを助ける12の遺伝子群に特別な変化のセットを持つ人々に生じている疾患であり、「トラウマ、感染、負傷などによる身体的・精神的なストレス」によって活性化される「視床下部―下垂体―副腎 (HPA)系の混乱」が引き金となって発症する病気と考えられている。
重要なのはストレスとは、楽しくない事柄だけをさすのではなく、「ストレッサー」と呼ばれる外的刺激が原因であり、物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線など)、化学的ストレッサー(酸素、薬物など)、生物的ストレッサー(炎症、感染)、心理的ストレッサー(怒り、不安など)に分けられる。ストレス反応とは、ストレッサーに対する防衛機構が働き、身体の恒常性(ホメオスタシス)を変化させるもののことを意味している(よって、本人がストレスと気づかない場合もストレスとなっている場合がある)。
これらのストレスに対する作用を主に司っているのが間脳視床下部であり、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)が担っている。
なお、CFSはストレスとの関連があるが、「心理的な病気」ではなく肉体が激しく疲労する「身体的な病気」である(ただ、患者の中にはCFSにる副次的な精神疾患を併発する場合がある)。
医学的研究によりストレスは免疫が介在する疾患で重要な役割を持っており、実際に精神神経免疫学という新しい研究分野として研究が行われている。 種々の外的ストレスが、「自律神経」や「内分泌系」を介して「免疫系の調節」をしていることも明らかになっており、自己免疫の発症の誘因になることも明らかになっている。
患者の疲労の主因として以下のような「身体的な異常」が重なっていると考えられている。
遺伝子異常
サイトカイン(免疫)異常
ホルモン(内分泌系)異常
脳・神経系の異常
遺伝子の異常に関する研究 [編集]
CFS患者にはある遺伝子発現の異常が起こっていることがCDCから報告されている。
身体がストレスに対応するのを助ける12の遺伝子群に、特別な変化のセットを持つ人々に生じている「身体的な疾患」である事が強く示唆されている。
グラスゴー大学の研究では遺伝子のオン・オフを切り替える仕組みに異常が生じ、適切でない時にオンになることが、激しい疲労感に関与するのではないかと考えられている。
CFS患者では健康な人と比較して、特殊な遺伝子表現があるとされ、CFSは多発性硬化症や運動ニューロン病とおなじ分類にされるべきであるとされている。
マーカー遺伝子の発現解析結果を検査することで、高精度でCFSの診断が出来ると期待される。
これは、遺伝子の異常がCFSに深く関わっていることを示唆する。
このことにより、診断が困難であったCFSの確定診断としての利用が望まれる。
また、有効な治療法が無かった病気だが、新薬の開発への糸口になる可能性がある。
日本では、六反一仁・徳島大学ヒューマンストレス研究センター長らが開発した、血液中の1400以上の遺伝子を調べられるDNAチップなどの遺伝子に関するいくつかの研究を発表しており期待されている。