runより:今回初めて聞いた事をピックアップします
生化学的個別性
MCS患者はそれぞれが、体や脳を攻撃する慢性的炎症につながるような引き金となる事象、引き金、媒介因子を経験した生化学的な個体である。
いったん活性化されると、慢性的炎症が(血液脳関門;BBBと言われる)脳内のグリア細胞の免疫活性につながる。
グリア細胞は胃腸の免疫細胞と連携しているので、慢性的消化不良が、気分や行動障害、てんかん発作、偏頭痛、多動症、鬱といった形で脳内においても生じていると考えられる。
胃腸と消化システムにおける炎症の原因は薬、化学物質、溶剤、重金属、感染症、それに隠れた食物アレルギーが考えられる。
最近の動物実験では、過敏性腸症候群ンの患者から採取された組織にあるマスト細胞から放出された媒介因子はラットの内臓痛覚ニューロン(痛みを引き起こすニューロン)の炎症を助長させるということがわかった。
つまり、炎症性の媒介因子は神経システムに影響を及ぼすということである。また、視床下部下垂体中枢(HPA)と胃腸免疫システムには関連性がある。
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)と糖質コルチコイドの量が慢性的に高いレベルにある慢性的ストレスは、炎症促進作用のあるサイトカインの一種、インターロイキン6(IL6)とインターロイキン8(IL8)を放出させる原因となる。
化学物質は体と脳双方における炎症過程を上方制御する作用があるため、MCS患者に対しては炎症元となる体と脳双方を分析する必要がある。
こうした知見にもとづき、MCS患者診断においては、患者の体で慢性的炎症過程―毒物や生物学的引き金や媒介因子によってもたらされる持続的炎症―にまで移行しているかを診断調査しなければならない。
)腸の障害が原因に
腸と脳はつながっている。
腸の粘膜表面には外界に対するバリア機能がある。
しかし、粘膜表面が寄生虫や化学物質、薬品などによって損傷されたり、アレルギー物質によって侵されると、血管や神経束によって腸は脳へつながっているので、ストレスがかかって便秘や下痢を引き起こす。
重要なのは、神経束で腸と大脳がつながっているということだ。こうした神経束の90%は上下に走っており、解剖的に見ても腸と大脳はつながっている。
そして、すべての神経伝達物質は、この腸管の部分で見つけられる。
たとえば、睡眠あるいは覚醒状態のコントロールに非常に重要で食欲を発生させるセロトニンなども90%は腸管で見つかる。
すなわち、化学的にも腸と脳がつながっていることを示している。
実は胃腸科の医師も、腸が原因でこのような疾患が起きることについて理解していない。
分子が大きなタンパク質や毒素、バクテリアは、通常であれば腸の表面のバリアによって体内へ侵入できずに腸管の中を通過していく。
ビタミン、ミネラルなどの栄養素はこのバリアを通過できるので体内へ吸収される。ところが腸壁が損傷されると、バリアの中に開いたところができ、毒素が体内に取り込まれてしまい、そこから血管の中へ毒物が侵入する。
この場合、逆に小さな粒子は腸壁の表面に留まってうまく吸収されず、栄養失調、つまりビタミン欠乏症などが起きる恐れがある。
この場合も化学物質による突発的先行事件になり、アレルギーがトリガーされ、発症するということになる。
runより:このへんが新しく聞いた事です。MCS研究が進歩していると信じたい