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⑧有害物質への曝露
MCSの患者も継続的にストレスに曝されている。
どこへ行っていいかわからない、会議に参加しても香水でだめになって途中で出るなど、とにかくいつもストレスに曝されている。
抗ストレスプログラムも非常に重要だ。
(1)グルタチオンやαリポ酸等を使用した解毒治療
グルタチオンやαリポ酸は、体内で生成される天然キレートである。
αリポ酸、あるいはグルタチオンを注射などで注入すると、図のように金属を取り込む。
金属そのものがなくなるのではなくて、キレート剤の中に取り込まれるのだ。
丸印の硫黄の部分が活性部位になって、ここで重金属を解毒する。
αリポ酸は肝臓で生成される。
グルタチオンも同様に硫黄の部分を持っている強力な抗酸化物質(トリペプチド)である。システイン、グリシン、グルタミンから作られる。
体が十分に栄養を吸収できないと、十分にアミノ酸が得られず、グルタミンが十分に作られないので、解毒能力が下がって体調が悪化する。
グルタチオンは過酸化物を還元する。グルタチオンは脳における最も重要な抗酸化物質の一つで、フリーラジカルのダメージから脳を守る。
私たちは、以下の物質を静脈注射で投与するといった治療を日々行っている。
①他の薬剤が混ざらない還元型グルタチオン600mg(i.v.)週1回を4度
②大量のビタミンC投与(アスコルビン酸ナトリウム7.5g)+マグネシウムアスパルテート/カルシウムEAP/亜鉛/交互に投与
③セレニウム-ナトリウム100μg、ビタミンB群(葉酸を含む)
④αリポ酸300~600mg
⑤Lカルニチン1000mg
コンパクト解毒プログラムという1週間の解毒プログラムもある。
また、経口剤を6~10週間服用して結果を見ることもある。
経口薬投与の場合は、以下について1日1回投与する。
服用量は検査結果に応じて変更する。
①αリポ酸100~300mg
②スルフォラファン15~30mg<ブロッコリー抽出物>
③セレン<セレノメチオニン>、亜鉛、モリブデンを含むマルチミネラル
④マルチビタミン(メチルコバラミンとP-5-Pを含む複合ビタミン)
⑤ビタミンC1g(吸収がゆっくりなタイプ)
⑥ビタミンE(ガンマ-トコフェロール300mg含む)
⑦アミノ酸(グリシン、アルギニンなど含む)