多種類化学物質過敏症-国際会議、東京より 3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・スタイルは、ラットやそのほかの動物たちを、不快または有害な刺激に曝した結果、順応には3段階があることを発見した。


1、警告期    2、抵抗期   3、疲弊期


さまざまなストレッサーに対していつも同じストレス反応パターン(視床下部下垂体中枢(HPA)の活性化、糖質コルチコイドの分泌)が存在し、セリエはこうした反応パターンを汎適応症候群と呼んだ。

化学物質や食物、身体的ストレスなどに一見適応しているように見える段階(第二期)後、患者は疲弊期に入る。

疲弊期とは、身体における生物化学的システムの破綻を意味する。

スタイルの実験では、(寒さというストレッサーに曝された)ラットは副腎機能の低下によって死ぬ。

第3段階においては副腎は完全に機能不全に陥る。


ハンス・セリエの汎適応症候群に類似するものとして環境医学の医師セロン・ランドルフ教授は特異的適応症候群(SAS)という理論を発展させてきた。

彼は化学物質過敏症の患者各々が、化学物質に曝露しつつも症状が現れず、長期にわたって(実際はそうでなくても!)一見適応の段階(第二段階の抵抗期)にあることを発見した。

やがて最終的な第三段階(疲弊期)において、患者は多種類化学物質過敏症のような重篤な急性あるいは慢性反応を引き起こすようになった。


・5、原因;引き金となる事象、引き金および仲介因子

  (体と脳における炎症)


化学物質過敏症の原因となりうるものに関して、「機能性医療」という本の中で引き金となる事象、引き金および仲介因子について議論している。


①引き金となる事象


アメーバ(寄生虫)感染後の関節炎は引き金となる事象と呼べる。

多種類化学物質過敏症患者にとって、化学物質の過度の曝露(溶剤・塗料、殺虫剤、抗生物質、重金属など)は、引き金となる事象となりうる。


②引き金


寄生虫、病原体のバクテリア・酵母・カビ、食物抗原や体内に取り込んだ毒物は、慢性大腸炎や消化不良のような炎症の継続的な引き金として作用しうる。こうした引き金は診断の上取り除かねばならない。


多種類化学物質過敏症患者においては、引き金は溶剤やプラスチック素材、香水、医薬品や食物、食物添加物といったように多岐にわたる。

こうした引き金は診断の上取り除かなければならない。


③仲介因子


仲介因子は、病気の発現をもたらす媒介因子/代謝産物であります。

引き金のように、仲介因子それ自体は病気の原因とはならない。

仲介因子は形状や物質が様々で、(サイトカインやプロスタノイドと言った)生化学的なものあれば、(水素イオンのように)イオン的なもの、(病気の状態の継続といった)社会的なもの、(不安のような)心理的なもの、あるいは病の本質についての信念のような)文化的なものが考えられる。


病気の一般的な媒介因子にはホルモン(副腎機能低下、メラトニンやプロゲステロンのバランス異常など)や活性酸素、痛みや喪失に対する恐怖、自尊心の低下、学習性無力感、適切な健康情報がないことも含む。


あらゆる媒介因子に共通する特筆すべき特徴としては、疾患特異性がないことがあげられる。