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二次予防 [編集]
片頭痛や癲癇として見逃されている例が多いため、繰り返す頭痛や痙攣発作がある場合はもやもや病を疑い、MRIやMRAを受ける。
三次予防 [編集]
激しい運動は脳虚血や脳出血を誘発する恐れがあるため、極力避けるようにする。
検査 [編集]
MRI
血流の途絶や櫛状の信号所見が見られる。
MRA
血管造影と同様の所見
血管造影
定義に述べた所見が見られる。
PET
脳波検査
SPECT
診断 [編集]
MRIとMRAで診断する。以上の検査で明らかになれば、脳血管造影は必ずしも行う必要はない。
治療 [編集]
脳血行再建術を行う。これには直接的にバイパスを作る術式(浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術が一般的)と、間接的にバイパスを作る術式(直接血管を吻合するのではなく、近接する大血管からの自然な血管新生を期待する)がある。内科的には抗血小板療法を行い、虚血発作を予防する。
予後 [編集]
小児例での急速進行例では、重篤な知能障害が後遺症として残ることが多い。
成人例では、脳出血を起こした後に再出血し死亡率が高い。
診療科 [編集]
脳神経外科、小児神経科、神経内科
各国において [編集]
日本人を中心にアジア人に多い疾患であるため、日本での研究が世界をリードしている。
日本で脳神経外科学が発達し始めた1950年代、血管造影において1953年(昭和28年)に選択的血管造影法が創始された。
同法は脳の血管造影にも導入され、未知の疾患が様々な日本語や英語の呼称、あるいは、日本の研究者の苗字をとった名称などでも報告された。
それら未知の疾患のうち、いくつもの名称で発表されていた当疾患は、1965年(昭和40年)8月号の「脳と神経」の特集において1つの疾患として整理された[2]。また、原因については奇形説と側副血行路説とが唱えられた[2]。
のちに側副路説が優位となると、同説に基いた「ウィリス動脈輪閉塞症」(脳神経外科学会会長であった工藤達之慶應義塾大学教授が提唱)をこの統一された疾患の標準病名として厚生省が採用するが、その一方で、同説の鈴木二郎東北大学教授が1967年(昭和42年)に命名した「もやもや病」[3]が海外では広く受け入れられ、疾病及び関連保健問題の国際統計分類でも標準病名となってしまった。2001年(平成13年)になり、世界の趨勢に合わせて日本でも厚生労働省が「もやもや病」を標準病名とした。同年、シンガーソングライターの徳永英明が当疾患に罹患したことが報じられた。
なお、各国語での「もやもや病」にあたる病名は、日本語のローマ字表記を用いた“moyamoya”と、病気を表す各国語により表現される。しゃぶしゃぶと並び、日本語の擬態語が外国語に借用された数少ない例であるが、この“moyamoya”という綴りは、英語では「モィヤモィヤ」、フランス語では「モワイヤモワイヤ」、スペイン語では「モヤモヤ」「モジャモジャ」などと発音する綴り方であるため、正しく「もやもや」と発音していない外国人医師も見られる。
著名なもやもや病研究者 [編集]
水成隆之
脚注 [編集]
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1.^ もやもや病 (北里大学医学部脳神経外科)
2.^ a b 脳底部に異常血管網を示す疾患群をめぐって(大阪市立総合医療センター脳神経外科 小宮山雅樹『もやもや病に関する医療情報サイト』)
3.^ 「少女救おう」レバノンから招き手術へ--仙台のNPOが募金活動 (毎日新聞 2005年6月24日)
外部リンク [編集]
難病情報センター|モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)