低周波音過敏症 | 化学物質過敏症 runのブログ

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◆低周波音過敏症とは? 低周波音症候群とは?
超低周波の「音」が原因と思われる第三の過敏症といえる健康障害が出ています。

<様々な健康障害?>
正式な病名ではありませんが「低周波音過敏症」とか「低周波音症候群」と言われ、
頭痛、不眠、イライラ、胸や腹の圧迫感、動悸、目まい、耳鳴りなど
様々な健康障害を訴えます。
ただの頭痛ではなく、脳みそが振動するような不快感を訴える方がいます。

<電磁波と勘違い?>
ほとんどの方が、自己判断で「電磁波」による被害ではないかと思い、
電磁波測定器や電磁波防止等についての相談がありますが、
話を伺うと、電気製品に近づいても大丈夫、電気量販店にも行ける、
携帯電話を使ってもなんともない・・・等、「電磁波」には反応していないのに、
電磁波に反応しているような不定愁訴を訴えます。

シックハウス症候群と同様に、大方は、自宅にいると強く症状が出て、
外出すると症状が出ないか、特定の場所で症状が出ることが多く見られます。


<低周波音では?>
そこで、症状や、発症時期、症状が出る時間帯、強く出る場所、
外出時に症状が出る場所、近隣の居住環境の変化、工場や店舗の有無、
電気製品の購入等々を聞き取ることで、推測していきます。
ある音源が発する「低周波音」に反応していると考えられます。

例えば、昼間は症状が出ないが、夜間に症状が出る
工場が稼動していない日曜日は症状が出ない、
深夜電力に切り替わる時間(23時)以降の時間帯に症状が強く出る、
など、低周波音が原因と思われる事象が見えてきます。


<低周波音の発生源は?>
真空ポンプやディーゼルエンジンなど工場の機械、
電車、自動車、船舶、航空機、ヘリコプターなどのエンジン、
鉄道のトンネル、高速道路の高架橋、
空調設備の室外機、隣家のエアコンや給湯器(エコキュート)、
冷蔵庫のコンプレッサー、風力発電の風車などがあります。

一般的にはモーター、コンプレッサー、エンジンなどが原因の場合が多く、
低騒音対策を施した電気製品の新機種も、可聴域の音をカットした分、
低周波音を発生する可能性が高くなるようです。


<低周波音とは?>
人間が聞きとれる音(可聴域)は20Hz(ヘルツ)から2万Hzまでの間といわれています。

この可聴域の範囲外で、20ヘルツ以下の聞こえない音が「超低周波音」
2万ヘルツ以上の聞こえない音が「超音波」です。

人間の耳の感度は2000Hzから4000Hzあたりが最も良好で、それより高くなっても
低くなっても、次第に聞き取りが悪くなります。

特に100Hz以下になると急速に感度が低下しますので、超低周波音を含めて
100Hz以下の音を「低周波音」あるいは「低周波空気振動」と呼んでいます。
つまり、周波数が低すぎて人の耳には聞こえない、あるいは聞き取りにくい音を
「低周波音」と言います。


<潜伏期間が長く、突然鋭敏に!>
騒音被害はなれていくのが普通ですが、低周波音被害は徐々に鋭敏になり、
過敏性を増して耐えられなくなっていきます。

症状が出るまでの潜伏期間が長く、数週間、数ヶ月、数年後に発生することが多く、
潜伏期の間なんともなかった人が、ある夜忍び寄る低周波音に気がつきます。
一旦気になると、翌日も、翌々日も・・・。
その状況が厳しくなっていき、やがて不定愁訴も伴って耐えられなくなるというのが
よくあるケースで、低周波音に対して「鋭敏化」していきます。

家族で、一人だけ症状が先に出るなど、かなり個人差があります。


<夜、静かになると症状が強くなる!>
低周波音被害の症状は普通音によって緩和(マスキング)されます。

日中は、生活音(騒音)があるので気にならないか、症状は軽いのですが、
夜、静かになると症状が強く出てきます。
生活音(騒音)が無くなると低周波音が強調されるので、むしろ静かにしない方が
症状が出ないで良いと言うことになります。

軽度の不眠の場合、音楽を聴きながら寝るなどの対策で、少し楽になり
眠れる場合もあります。
根本対策にはなりませんが、応急処置としてお試しください。


<防音対策は逆効果!>
騒音ではないので、防音対策をするのは「逆効果」になります。

低周波音の性質は、透過力が極めて強く、回折(壁の上を乗り越えて回り込む)する
性質も強いので、防音対策をしてもわずかしか減衰しません。
それに対し普通音は反射や吸収が著明で、防音対策が極めて有効です。

防音工事をすることで、騒音が極端に低くなり、低周波音だけが
強調されるようになるので、かえって低周波音に鋭敏になり症状が重くなります。


<どうしたら楽になるか?>
他の過敏症と同様、症状の出る場所から離れるか原因を取り除くのが
一番ですが、難しいのが実情です。

自宅にあるものが原因なら、処分できなくはないと思いますが、
近隣に原因がある場合は、自宅から出るわけにもいかないし、近所の「原因」を
取り除いてくださいとも言えませんので、悩むことになります。

他人に過敏症の苦痛を理解してもらうのは困難で、普通に販売されている
エアコンや給湯器を悪者扱いしたら、近所付き合いが大変なことになります。
こじれて裁判になっているケースもあります。


<心当たりがある方は>
ざっと説明しましたが、心当たりがある方は、わかりやすい本が出ていますので
ご覧いただいた方が早いと思います。

「低周波音症候群 『聞こえない騒音』の被害を問う」汐見文隆著・アットワークス

風力発電から低周波音確認 環境省
  環境省は30日までに風力発電施設からの騒音などで地域住民から苦情が出ていることを受けた調査結果を発表した。苦情の出ている家庭で、風力発電施設から発生する低周波音が初めて確認された。同省は騒音による健康被害を詳細に調べる考えだ。
 今回調査したのは愛知県豊橋市と田原市、愛媛県伊方町の3地域。頭痛などを訴えている家庭の協力を得て、住宅内外の音と風力発電施設近辺の音を比べた。施設近くから出ていた160~200ヘルツの低い音などが、施設から約350メートル離れた田原市、伊方町で確認された。豊橋市の家庭では測定されなかった。  2010.03.30 日本経済新聞より。



runより:初期にはカテゴリーにあった低周波音過敏症の話です

聴覚過敏症とは違いますがここに入れておきます。

事実上逃げるしか無い病気ですが、原因から離れれば治ります