wikipediaより
トリクロロフルオロメタン (trichlorofluoromethane) は分子式 CCl3F で表されるフロン類の一種で、フロン11、CFC-11、R-11とも表記される。においのほとんどない無色の液体で、室温付近で沸騰する。
1992年のモントリオール議定書締結国際会議において製造禁止とされている物質で、日本政府のフロンガス規制対象である「特定フロンガス」にも指定されている。
用途 [編集]
かつては冷却剤として広く用いられていた。他の冷却材と比べて沸点が高く、稼動圧の低い系でも使うことができたため、ジクロロジフルオロメタン (CCl2F2, R-11) やクロロジフルオロメタン (CHClF2, R-22) など、より高圧で扱う必要があったものよりも要求の低い装置設計が可能であった。
含有する塩素原子の割合が大きいこと、さらに紫外線にさらされると分解しやすいことから、冷却材として使われていた物質の中で最もオゾン破壊係数の高いもののひとつであった(係数が1.0と定義されている)。アメリカ合衆国での製造は1995年に終了した。
19F NMR の基準物質として使われる。
融点 -111 °C
沸点 24 °C
国際化学物質安全性カードより
物理的状態; 外観:
特徴的な臭気のある、無色の気体あるいは揮発性の非常に高い液体。
物理的危険性:
この気体または蒸気は空気より重く、天井が低い場所では滞留して酸素欠乏を引き起こすことがある。
化学的危険性:
高温面や炎に触れると分解して、有毒で腐食性のガス(塩化水素[ICSC番号0163]、ホスゲン[ICSC番号0007]、フッ化水素[ICSC番号0283]、フッ化カルボニル[ICSC:0633])を生成する。アルミニウム、亜鉛、マグネシウムの粉末、リチウム削り屑、顆粒状バリウムと反応する。
許容濃度:
TLV:1000 ppm(天井値);A4(人における発がん性が分類できない物質) (ACGIH 2004)
MAK:1000 ppm, 5700 mg/m3; ピーク暴露カテゴリー:II(2); 妊娠中のリスクグループ: C (DFG 2004)
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
暴露の経路:
体内への吸収経路:吸入。
吸入の危険性:
容器を開放すると液体がきわめて急速に気化し、閉ざされた場所では空気中で過飽和となり、窒息の危険を生じる。
短期暴露の影響:
この液体は凍傷を起こすことがある。心臓血管系、中枢神経系に影響を与え、心臓障害、中枢神経系抑制を生じることがある。意識が低下することがある。
「注」参照。
長期または反復暴露の影響:
この液体は皮膚の脱脂を起こす。
物理的性質 ・沸点:24℃
・融点:-111℃
・比重(水=1):1.49
・水への溶解度:0.1 g/100 ml(20℃)
・蒸気圧:89.0 kPa(20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):4.7
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):4.4
・log Pow (オクタノール/水分配係数):2.53
環境に関する
データ
・環境に有害な場合がある。オゾン層への影響にとくに注意すること。
身体への暴露
吸入 不整脈、錯乱、し眠、息切れ、意識喪失。
皮膚 液体に触れた場合:凍傷。皮膚の乾燥。
眼 発赤、痛み。