wikipediaより
クメン (cumene) は炭化水素に分類される芳香族化合物の一種である。「クメン」は慣用名であり クミン酸 (cuminic acid、4-i-PrC6H4CO2H) に由来する。IUPAC命名法でその構造は (1-メチルエチル)ベンゼン などと表される。無色透明の液体。
ベンゼンとプロペンを酸触媒下に縮合させることによって合成する(フリーデル・クラフツ反応)。空気酸化により簡単にクメンヒドロペルオキシド (cumene hydroperoxide、C6H5C(CH3)2OOH) に変わることから、クメン法によるフェノールおよびアセトンの工業的合成法の中間体として重要である。
国際化学物質安全性カードより
物理的状態; 外観:
特徴的な臭気のある無色の液体
物理的危険性:
流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。
化学的危険性:
酸、強力な酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。爆発性過酸化物を生成することがある。
許容濃度:
TLV:50 ppm(TWA) (ACGIH 2004)
MAK:50 ppm, 250 mg/m3; Peak limitation categoryピーク暴露限度カテゴリー:II(4); 皮膚吸収(H); Pregnancy risk group妊娠中のリスクグループ:C (DFG 2004) (訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
暴露の経路:
体内への吸収経路:吸入、経皮
吸入の危険性:
20℃で気化すると、空気が汚染されてやや遅く有害濃度に達する。
短期暴露の影響:
眼、皮膚を刺激する。液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を引き起こす危険がある。中枢神経系に影響を与えることがある。許容濃度をはるかに超えると、意識を喪失することがある。
長期または反復暴露の影響:
反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。
物理的性質 ・沸点:152℃
・融点:-96℃
・比重(水=1):0.90
・水への溶解性:溶けない
・蒸気圧:427 Pa(20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):4.2(計算値)
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.01(計算値)
・引火点:31℃(C.C.)
・発火温度:420℃
・爆発限界:0.9~6.5 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):3.66
環境に関する
データ
・水生生物に対して毒性が強い。
身体への暴露
吸入 めまい、運動失調、嗜眠、頭痛、意識喪失。
皮膚 皮膚の乾燥。
眼 発赤、痛み。
経口摂取 「吸入」参照。