ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2.行政による規制
 過敏症の問題に対して、行政は、①室内濃度指針値の決定(主に1997年から2002年にかけて)と②建築基準法の改正(2002 年)により、化学物質に対
する規制を行いました。
 まず、①室内濃度指針値の決定により、13項目の室内濃度指針が策定されました。また②建築基準法改正により、ⅰ)機械換気による一時間に0.5 回以上の換気が義務付けられ、ⅱ)ホルムアルデヒド含有建材の使用量が制限され、ⅲ)クロルピリホスの使用が禁止されました。結果として、ホルムアルデ
ヒドを基準値以上に含む新築住宅の割合が約30%から約2%にまで激減し、大きな効果が生まれました。
また、トルエンについては規制対象ではなかったものの、建築業界の自主的な努力により、大幅に減少しました。
 しかし、これらの規制によって、全てが解決されたわけではありませんでした。既存住宅の汚染状況の調査により、ホルムアルデヒドは1年目には急激に減少するものの、その後は増減を繰り返すことがわかったのです。一旦、ホルムアルデヒドを塗料、接着剤として住宅に使うと、2年目以降、その濃度は、夏高く冬低いという季節変動を示し、単調に減少しないことがわかりました。
 これは、ホルムアルデヒド(塗料等に使われる尿素ホルムアルデヒド樹脂)の放散過程に理由がありました。塗料や接着剤が硬化する過程で、ホルムア
ルデヒドは大量に放散します。これにより1年目には濃度が激減します。しかし、2年目以降については、尿素ホルムアルデヒド樹脂は加水分解する性質
があるため、湿度の高い夏は加水分解しやすくなり、気体となって室内に放散され、その濃度が高く
なってしまい、反対に、湿度の低い冬は濃度が低く
なることがわかったのです。加水分解されている限り、ホルムアルデヒドは放散され続けることになります。
 では、加水分解はいつまで起こるのか。それは、接着剤ならその接着力がなくなるまでずっと起こるのです。他にも、アセトアルデヒドについては規制
後も濃度は減少せず、むしろ増加していることがわかりました。
 以上のように、1997年から2002年にかけて行政が精力的に行った対策は、その一部については大きな効果を上げました。

しかし、それにより化学物質過
敏症がなくなったわけではありません。

その問題は、より複雑に、厄介になったとさえいえるのです。