【参考】 化学物質過敏症の概要
千歳市公立小中学校事務職員連携会議
北海道新聞、世界と日本大図解40「シックハウス症候群」の記事等を参考に化学物質過敏症の概要について整理したものです。
1 化学物質過敏症
化学物質過敏症は、長期間、化学物質を接触・摂取していることにより、ストレスの総量=トータル・ボディ・ロードが個人の適応能力を超え、それ以後、極めて微量な化学物質に接触しただけで、頭痛、下痢、疲れやすい等の症状がでると言われています。
発症には個人の体質により差異があり、アレルギーの症状と似ています。アレルギーの原因物質の多くは、タンパク質を中心としたものですが、化学物質過敏症は化学物質が原因のものを指しています。
もともと、日本は高温多湿の気候に適した風通しのよい住宅に住んできましたが、近年、高気密性の住宅や施設が増加し、快適さと引き替えに化学物質過敏症やシックハウス症候群、シックビルディング症候群、シックスクール症候群などと呼ばれる疾病が増えてきたと言われています。2 化学物質過敏症の発症の経過
化学物質過敏症の発症の経過は、「警告期」「マスキング期」「器官衰退期」の三段階に分けられます。
「警告期」では、化学物質に接触・摂取=曝露することで、ショックを受け、血圧の低下や精神・神経活動が抑制されるなどの反応を示すと言われています。
「マスキング期」の特徴は、人の防衛システムの活躍です。長期間、化学物質に曝露されていても体はいつもと同じ安定した状態、恒常性=ホメオスターシスを保とうと調整し、化学物質を解毒していく働きをみせ「適応状態」となります。「適応状態」の中では、症状が軽くなり、快適に感じられるようになります。
しかし、化学物質は体内に蓄積され続けることとなり、「マスキング期」と呼称されています。そして、化学物質を蓄積していくことで体内の防衛システムが侵し続けられている結果となります。
また、「マスキング期」に、逆に空気のきれいなところに行き、化学物質のない環境にすると、かえって体調が悪くなることもあります。これを「離脱状態」と呼称しています。
「器官衰退期」は、前述の警告期やマスキング期を経て、原因となる化学物質を蓄積し続けると体が化学物質の解毒に必要な栄養素を使い尽くして、さまざまな症状が現れる状態と考えられています。そして、この段階で初めて化学物質過敏症と気づく人が多いと言われています。