松下電工技報(Vol. 53 No. 4)より | 化学物質過敏症 runのブログ

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松下電工技報(Vol. 53 No. 4)より
http://panasonic-denko.co.jp/corp/tech/report/534j/pdfs/534_04.pdf


タバコを空間で燃焼させたときの空間のにおい
(以下,タバコ空間臭と記す)の分析
100 L デシケータの中で「マイルドセブン」1 本を燃焼
させ30 分放置した後,デシケータ内のガスを吸着剤「Air
Toxics」が充填されている吸着管に通気させることにより,
ガスの濃縮を行った。

次に,タバコ付着臭の分析と同様に,タバコ空間臭を濃
縮させた吸着管を加熱し,GC/MSに導入することにより,
タバコ空間臭の成分分析を行った。
また,タバコ付着臭の分析と同様に,アンモニア,アセ
トアルデヒド,酢酸については,ガス検知管による濃度測
定を行い,硫化水素については,GC/SCDによる濃度測
定を行った。

2.4 タバコの空間臭と付着臭の比較
GC/MSによる分析を行った結果,タバコの付着臭から
は,主に芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレン,
スチレンなど),複素環化合物(ピロール,フルフラール,
ビニルピリジン,ニコチンなど),アルデヒド(ノナナー
ル,デカナールなど),オレフィン(ヘキサデセン,オク
タデセンなど),ニトリル化合物(2-プロペンニトリルな
ど),およびケトン(アセトンなど)が検出された

上記の付着成分の多くは空間臭でも確認されているが,
アルデヒドはほとんど検出されていない。これは,カーテ
ン生地の表面に付着しているオレフィンが徐々に酸化され
てアルデヒドが生成しているためと考えられる。
また,空間臭に比べ付着臭には比較的沸点の高い物質が
多く認められた。これは,付着したタバコ臭成分のうち沸
点の低い物質はカーテン生地に付着してもすぐに揮発する
ためと考えられる。

ガス検知管およびGC/SCD による測定を行った結果,
タバコ空間臭からは,アンモニアが14 ppm,アセトアル
デヒドが2 ppm,酢酸が0.3 ppm,硫化水素が0.2 ppm 検出
された。

一方,タバコ付着臭からはアンモニアが9 ppm 検
出されたが,アセトアルデヒド,酢酸,硫化水素について
は検出されなかった。このことから,アンモニアはカーテ
ン生地に付着しやすいが,他のアセトアルデヒド,酢酸,
硫化水素などはカーテン生地には付着しにくいと考えられ
る。

2.5 自然放置におけるタバコ付着臭の変化
タバコのにおいを付着させたカーテン生地を1 時間自然
放置することにより,ニコチンを除いた各ガス成分はほぼ
同じ比率で減少した(図2)。
ニコチンは高沸点化合物(常温で無色の液体,沸点:
247 ℃)であり,通常1 時間の自然放置でほとんど揮発せ
ず,空気に酸化されてニコチン酸(白色の固体,融点:
234 ~ 238 ℃)になった可能性が考えられる。他の成分は,
 アセトン
 2-プロペンニトリル
 ベンゼン
 ピロール
 トルエン
 フルフラール
 p-キシレン
 スチレン
 ビニルピリジン
 フェノール
 ノナナール
 デカナール
 ニコチン
 ニコチン類似物
 ヘキサデセン
 オクタデセン
 2-メチル-1,3-ブタジエン
 D-リモネン
(空間臭)
(付着臭)
保持時間(分)
10 20
相対ガス量
100
0
100
0

タバコの付着臭と空間臭の成分

自然放置におけるタバコ付着臭の変化
タバコのにおいを付着させたカーテン生地を1 時間自然
放置することにより,ニコチンを除いた各ガス成分はほぼ
同じ比率で減少したニコチンは高沸点化合物(常温で無色の液体,沸点:
247 ℃)であり,通常1 時間の自然放置でほとんど揮発せ
ず,空気に酸化されてニコチン酸(白色の固体,

融点:
234 ~ 238 ℃)になった可能性が考えられる。他の成分は,
 臭気濃度を測定した。パネラとしてT&T オルファクト
メータを用いた嗅覚試験に合格した20 ~ 30 代の男女6 名
を選出3)した。


runより:中々面白いデータが揃ってます。これは抜粋ですが一度全部

読んでみるのもいいと思います