公害等調整委員会広報誌「ちょうせい第52号」(平成20年2月発行)より4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2)発症メカニズム
① 仮説
化学物質過敏症の場合、その発症メカニズムについては、免疫学的なもの、神経学的なもの、心因学的なものなど、多方面からの研究が行われているが、いずれも決定的な病態解明には至っていない。また、シックハウス症候群は、さらにその定義域が広いため、一定のプロセスを持つ発症メカニズムとして説明することは非常に困難である。

② 曝露試験・疫学調査等による解明我が国においては、環境省が中心となって、本態性多種化学物質過敏状態について平成912 ちょうせい第52号(H20.年度から研究班を設置し、その病態解明のための疫学研究を実施している。また、シックハウス症候群については、厚生労働省が中心となって、平成9年度頃より病態の解明、診断・治療法の研究や全国規模の疫学研究が進められている。


1.4 治療法等
1) 診断方法
化学物質過敏症等についての診断方法は、一般に血液検査を含む日常臨床検査では、特徴的な異常所見が見られないこと、個人差が大きく、自覚症状も多彩であることなどから、場合によっては、「更年期障害」、「神経症」など症状の類似する別の疾患と診断されることも多く、国内外を問わず決め手となる診断手法が定まっていないというのが現状である。

2) 治療方法
化学物質過敏症等についての治療方法については、その原因の特定や診断と同様にさまざまな課題を抱えており、根本的な治療に結びつくような知見は今までのところ得られていない。
厚生労働省の「室内空気質健康影響研究会報告書-シックハウス症候群に関する医学的知見の整理-」(平成16年2月、室内空気質健康影響研究会)において、化学物質過敏症の治療と対策について述べた「北里研究所病院における知見-治療を中心として」(平成16年2月、石川哲)によれば、化学物質過敏症に対する有効な治療の手順として、
・ 自覚症状を誘発する原因物質からの回避
・ 患者教育(カウンセリングを含む)
・ 身体状況の改善と有害化学物質の代謝及び排出の促進
の3項目が挙げられている。