【コラム】2匹ぐらしREAL-でんわの回(後編) | 【4コマ】恋愛カウンセラー発!2匹ぐらし【コラム】

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カウンセラーの夫と自由奔放な妻のほのぼの生活。

〓「でんわの回(中編)はコチラから 〓

自分に非があることを
認めることができなかった僕は、

だんまりを決め込んだ態度

を取ることしかできませんでした。

 俺は悪くない

そういう感じです。
一方で自己嫌悪し始めた彼女は、

 どうせ悪いのは私でしょ

という態度で、
感じが悪いままその場は過ぎました。

そのことにはあまり触れないようにする

という先延ばしの形で、
僕達は仲直りをしていったのです。

しかしその後…

2人の生活が彼女のアパートから、
僕のアパートへ移ったこともあり、
時間を持て余した彼女は、
僕の部屋から前の彼女と写った写真やプリクラ、
手紙なんかを次々と発見してしまうのです。

そうです。

前編 でお話ししたクマは返したものの、
僕はそれらを、
捨てることができないでいました。

もともと物があまり捨てられない僕でしたが、
前の彼女との写真が捨てられない背景には、
彼女との過去に大きな罪悪感があったからでした。

捨ててしまうことが

人間のすることじゃないぐらい

に感じていたんです。

付き合い初めの頃は、
あまり気にしていなかったゆうかちんですが、
僕のアパートでたくさんの物を見てしまったため、
たびたび前の彼女との関係を聞くようになりました。

「どんな人だったの?」
「何してる人なの?」
「なんで付き合い始めたの?」

僕はしぶしぶ、
それに答えることしかできませんでした。
悪態をつかれたこともたくさんありました。

 前の彼女とはもう別れているのに、
 目の前にいて、
 こうして一緒に暮らしているのに、

 いったい、どうしたらいいんだろう…

当時はカウンセリングなど思いつきもしないので、
完全に1人で抱えこみ、
彼女に信じてもらうため、
僕は彼女に尽くすような生き方をし始めます。

会社の休憩時間でもまめにメールや電話を入れ、
仕事が終われば真っすぐに帰宅をし、
友人とは一切遊ばず、
休みの日は必ず2人で過ごしました。

大好きなゲームもなるべく我慢し、
1人用のゲームは全くしなくなりました。

「1人暮らしだったら、全部1人だ」

そう自分に言い聞かせ、
家事もほとんど全部をこなしました。

同時に、彼女は

 こんな迷惑な私は、
 見捨てられるんじゃないか


 お荷物になってばかりで、
 うんざりされるんじゃないか


と自分を責めてばかりいた気持ちが、
少しづつ僕が喜ぶようなことをしよう、
という前向きな気持ちに変わってきました。

そして

彼女は精神薬を飲むのをやめ、
食事を1日、3日と徐々に作ってくれるようになり、
家事もすすんでやってくれるようになりました。

全く興味がなかったゲームにチャレンジしたり、
僕が好きなことで、
一緒に遊んでくれることが増えました。

絶対に嫌だと言っていたアルバイトにも挑戦したり、
やがては就職にも至りました。

そんな彼女の頑張ってくれている姿を見ていると、
今度は僕が前の彼女の写真や手紙を持っていることに、
強く疑問を感じ始めたのです。

 そもそも、俺はいつまで持ち続けるんだろう?
 例え彼女と結婚しても、
 持っているつもりなんだろうか?


 でも、捨てると、
 前の彼女をひどく傷つけてしまうような気がする…


 というか、
 すでに取り返しがつかないほど傷つけてる…


 でも、持ち続けることで、
 前の彼女が幸せになるわけでもない…


 2人は合意の上で別れたし、
 自分が現在、一緒にいるのは彼女だ…。


 …あれ

 俺は自分が罪の意識を
 感じたくないだけなんじゃないだろうか?


 彼女より、
 自分を優先しているんじゃないだろうか?


そしてある時、
僕は彼女に言いました。

「写真、捨てるよ。
 ずっと持ってるの、何かおかしいよね。」


それまでずっとそうしようとしなかった僕が、
突然そんなことを言ったので、
彼女はびっくりしていました。

でも

「そうだよ。やっと気づいたの?」

そう言って、彼女は笑ってくれました。

彼女が働き始め、
今度は2人で部屋を借りようと話していた頃です。

携帯を見られてから、
約1年後のことでした。

以来、

彼女が前の彼女について僕に聞くことは
一切なくなりました。

ちなみにその後も何回か
「電話見た事件」はあるのですが、
それほど濃いエピソードではありません(笑

そのお話はまた別の機会で。


ゲームじゅやちん
来週もお楽しみに!ヒヨコ