安保闘争の闘志
あのKが 病に倒れた・・・外見はふっくらと丸身で衰えた感じはないが
身体の中はボロボロらしい
オレ達二人は若い時から人生のけじめと生きてきた己の責任をよく話し合ったり
議論した・・・酒を飲みながら夜が明けるまで
でも 今は
面会時間があり夜明けまで議論などムリだけれど
だけど 横たわった彼から今は聴くだけで
リンパから全身の骨に転移しているようで癌のステージはT3bらしい
余命3年以内って宣告されたようだ
その3年の間に余程効く抗がん剤が開発されない限り消える命
抗癌治療を拒否したそうだ
ホルモン治療だけで痛み止めは、この貼ってある絆創膏
これは麻薬の一種で痛みは一瞬に消えるらしいよ
だけど
3年もまだあるのだから・・・
自分の逝く時が判るのも幸せなものだと彼は言う
生きながらえることがすべての幸せではナイのだから
完全に自分の運命を認識し受容している様子であった。
病気の精神的かつ肉体的苦痛の凄みを実体験したよって笑っていたよ
オレはこの自分の分身であるような友の終活の最後までを「生・滅 」にこれから記することにした。
この様な文章を書くのが現在のオレの義務であると思っているのであるが
「死ぬことを前提に生きてこそ本当の人生を歩むことが出来る」などと言う言い草は怪しいものだと
感じながらも
今までの人生で会った人々の驚異・・・不思議で驚くことなのだが
それは誰ひとり
まわりの中で他の人が死んでいくのを見ても
自分自身が死ぬということを信じていない
頭では死に関して当事者で有ると思っているが身体の方は当事者でない如く感じながら
伊勢物語の業平の歌にある
ついにゆく 道とはかねて 聞きしかど きのう今日とは 思わざりしを
観念的に語っているので有ると思う