Let me know 04 | 下弦の月

下弦の月

色んな妄想や自己満足ネタを書いていこうと思っています。現在は「スキップビート!」を妄想中。尚、作者様・出版者様にはもちろん一切関係がありません。無断で拙宅のお話を転載や二次利用はお断りします。

本日もご来店ありがとうございます

よろしければ最後までどうぞ

 

 

 

…ここは、どこなんだろう?


華やかなパーティは何度か経験はあるが

キラキラとしたモデルだらけの会場

どこを見ても綺麗な人ばかり

足も手もみなさん常人じゃないほど長い!
 

「えーと。彼女がいいかな。…エマ!ちょっといいかい?」

 

ハリーは金髪ボブで長身の女性を呼んだ


振り返ると彫刻のような顔立ちのクールビューティが

微笑みながらこちらに歩み寄る


「・・・なぁに?ハリー、可愛い娘を連れてるじゃない?
…あら、レンじゃない!久しぶり!」


エマは蓮に軽くハグと頬にキスをするとニッコリと微笑んだ

なんてキュートに笑うのかしら、それに仕草がサラリとして嫌味がない

これが海外の挨拶なのね…とキョーコは感心する

 

「こちらマリ。レンの事務所の後輩だけど

まだデビュー前らしいんだ
みんなに紹介してくれないかな?

僕はホストを務めないといけないからね、頼んだよ

…マリ、彼女は面倒見がいいから頼るといいよ」

 

「はじめまして、マリです。よろしくおねがいします」

 

蓮から向き直ったエマは頬に手を当ててキョトンとしている

なんなの、これ?…可愛い!
そんな仕草もいちいち様になるって凄すぎる!

 

「そんなのレンに任せとけばいいんじゃない?」

 

「ああ、ごめんね、エマ

レオンにちょっと挨拶に行きたいからさ
彼女を少し預かってくれないかな?」


蓮は奥に座っているレオンが手を振るのに軽く会釈する
あぁ、とエマがそれに顔を向けキョーコに向き直った

 

「OK、マリ。じゃこっちに

私の友達から紹介するわ」

 

エマは二人からの依頼を引き受け

3人の女性が歓談する場所を指さした


なんだかわからないけどこれは絶好の機会

とばかりにキョーコは彼女についていった

 

「レン、どうして自分でエスコートしないんだ?」


「まぁ、それはいろいろとね。レオンに挨拶に行くよ

ハリー、また後で」

 

ニッと笑ってウィンクをした漣は

日頃の俳優ではないモデルの顔に切り替わっていた

ハリーも次の客が来たのか携帯が鳴っている

お互いに目で合図して各々の目的の場所へと向かった

 

*******


レオンは今日のキョーコのドレスをプレゼントしてくれたデザイナーだった

蓮はお礼を言いながら彼とグラスを合わせた

冷たいシャンパンを飲み干すと喉が渇いていたことに気が付く


「彼女か…初めて見る顔だけど綺麗なラインをしているな」


「ええ、あのドレスは彼女に似合うかなと思って着てもらったんです

あのカット綺麗ですね、着ると動きが華やかでいい」

 

「そうだな、もう少し装飾を加えてもよさそうだ

いい娘に着てもらったよ。創作意欲が沸くな

紹介してくれないか?」

 

「まだデビューが決まっていないから口説かないでくださいよ?

今日は事務所に内緒で来ているので」

 

蓮はこれでモデルデビューでもしたら困ると思い一応釘を刺す

レオンは海外を拠点にしているため

専属にでもされたらキョーコを連れていきそうだ

そのくらい熱の入った眼で彼女を見ていたレオンの為に

次の一杯を注文する

 

レオンを追ってキョーコに目を向けると

エマに次々と紹介されるモデルに挨拶をしているうちに

仕草が変わっていく事に気づく

さすが吸収が早いな…

お辞儀の仕方も笑い方も軽食をつまむ指先まで

どんどんと洗練されていく


「マリ、そろそろこっちに来ないか?紹介したい人がいるんだ」


レオンに一旦席を離れることを告げ颯爽と女性陣の話の輪に入る

そこにいた女性陣から久しぶり、と

ハグとキスの洗礼を受けながらキョーコに声をかけた


「……はい。どちらへ行けばいいですか?」

 

先ほどまで艶やかに微笑んでいたキョーコの顔が

急に冷たい表情に切り替わる
最後にハグを交わした女性と離れると蓮は奥のレオンを見る

 

「今日のそのドレスをデザインしたレオンが

君と話したいって言ってるんだけど…」

 

あれ?…急に機嫌が悪くなった?…どうして?

キョーコをエスコートしながら女性陣に挨拶しレオンのもとに向かう

レオンのもとにキョーコを連れて行くと普段は立ち上がらない彼が立ち上がり

キョーコを上から下までゆっくりと興味深く見る


「レオン、マリだよ

マリ、今日のそのドレスのデザイナーのレオンだ」

 

「はじめまして、マリです

今回は素敵なドレスをありがとうございます」
 

艶やさに可愛さをプラスしてニッコリとキョーコが笑う

あんな短時間でこんな表情出来るようになったのか?

と蓮はドキッとした
 

「はじめまして、マリ

レンから聞いてるよ、事務所の後輩なんだって?
どうだい?今度オレのコレクションに出てみないか?」

 

「レオン!」

 

キッとレオンを睨みつけた蓮にレオンは肩をすぼめて、ハイハイと笑った
軽いジョークだろうけど本国に帰れば彼もかなり有名な若手デザイナーだ
本来ここにいることが不思議なくらいの彼がモデルを誘うことは珍しい

 

「レンに睨まれちゃ簡単にはいかないな
どうだいマリ、少し話をしないか?」

 

「…ええ、喜んで。お邪魔します」

 

…え? 紹介するだけど思ったのに彼女はレオンの隣に座ってしまった
ドレスの着心地やデザインの美しさを彼に熱心に語るキョーコに
相変わらずの拘りを感じる
話が長くなりそうだな、と向かいの椅子に腰かけようとした蓮に
声をかける男性がいた

 

 

…つづきます Next

まだ着地点が見えません…