Let me know 02 | 下弦の月

下弦の月

色んな妄想や自己満足ネタを書いていこうと思っています。現在は「スキップビート!」を妄想中。尚、作者様・出版者様にはもちろん一切関係がありません。無断で拙宅のお話を転載や二次利用はお断りします。

「もしかして次のドラマ、決まったの?」

 

「あ、はい。来年から撮影がスタートするんです。

私、お話ししました?」

 

「いや、今日の雰囲気がいつもと随分違うから

役作り中なのかな、って思ってね。」

 

「敦賀さん、流石ですね。そうです

ヒロインの妹役で出させていただくことになったんです。

それもカリスマモデル役で・・・

BOX-R」のナツを気に入った監督さんから

オファーをいただいたのですが

今度はカリスマモデルって・・・

どんな格好がいいのか見当もつかなくて・・・」

 

それでこうなったのか、と車を発進させながら納得した

 

「う~ん、それじゃきれいめのOLさんかな

モデルってカンジはしないな。」

 

「やっぱりそうですよね

…はぁ、どうすればカリスマモデルっぽくなれるのかしら。」

 

社長宅に向かいながら役作りの相談を受ける

相変わらずこの立ち位置は変わらないんだな、俺

でも…他の人に相談されるよりは、いいか

 

「そうだ!敦賀さんもカリスマモデルじゃないですか!

…そのカリスマっぽさってどうすればいいのでしょう?」

 

「…え?カリスマっぽさ?そんなの俺にある?」

 

クスクス笑いながらハンドルを切る

 

「話をそらして悪いけど、今日はグレイトフルパーティの打ち合わせ?」

 

「はい、そうです。今年はマリアちゃんが

パパの所に行くということで日程が変更になるので

招待状の変更とパーティの打ち合わせに行くんです

…うふふ。マリアちゃんとっても嬉しそうでした。

でもグレイトフルパーティもしたいわ!って言って

…それで今回は社長が主催という事で…」

 

「それは大層なパーティになりそうだね?」

 

「そうですよね……怖いですよね?

どんな規模になるんだか…」

 

二人でクスクス笑いながら車を走らせる

 

「じゃあ、最上さん24日は予定ないのかな?」

 

「はい。今年は29日になったので

皆さん忙しいのに来ていただけるのか心配なのですが・・・

社長は心配ないって言うんです」

 

「まぁ、社長主催だからそこは心配ないだろうね

・・・じゃあ、さ

その日の最上さんの時間と身体、貰えないかな?」

 

「ま・・・また!そんな変な言い回ししないでください!」

 

「だめ?」

 

彼女の目を覗き込みながら様子を伺うと

パッと花が咲いたように赤くなった

俯きながらボソボソと文句を言っているのが聞こえる

 

24日、16時頃迎えに行くから

また詳しくは連絡するよ。」

 

ここは強制した方が話が早そうだ、と時間まで決めて

話はそこで終えた

 

 

*******

 

「え?…これ…」

 

ラブミー部の部室に行くと誰もがよく知っている

ブランドの大きな紙袋が一つ机に載っていた

つい1時間くらい前に敦賀さんからもらったメッセージに

「手渡ししたいけど時間が合わなそうなので部室に置いておきます

当日これを着てきてください」とあった

紙袋にメモが貼ってあって、丁寧な文字で

「最上さんへ」と書いてある中には

ワンピースとハイヒール

小さなバックにアクセサリーまで入っていた

 

「これ、いくらするのかな?・・・高そう

・・・お支払い、分割でもいいかしら?

 

 

・・・って一体どこに行くんだろう?こんな素敵なワンピース着て

ディナー?にしては時間が早いよね」

 

24日まであと1週間

キョーコは頭をひねりながら手渡しでない為に

返すわけにもいかず、紙袋を大事に抱え部室を後にした

 

 

 

…続きます Next