Let me know 01 | 下弦の月

下弦の月

色んな妄想や自己満足ネタを書いていこうと思っています。現在は「スキップビート!」を妄想中。尚、作者様・出版者様にはもちろん一切関係がありません。無断で拙宅のお話を転載や二次利用はお断りします。

11月になり寒くなってきました

またも長くなるような気がしますが冬っぽい話を書きたいなと思っています

それでは、どうぞ

 

 

『 Let me know 』

 

午後の仕事がキャンセルになり、呼び出された社長宅に向かう車の中信号待ちで窓を開ける

 

最近、仕事が毎日0時を超え朝は6時に現場入りという毎日

体力には自信があるものの疲れたのか頭が少し重い

 

開けた窓からひんやりした空気が流れ込む

11月になったのに日差しは暖かい

 

「もうあと少しで今年も終わりか」

 

ひんやりした空気のおかげか少し頭がスッキリしてきた

 

コツッ・・・コツッ・・・コツッ・・・コツッ・・・

軽快で綺麗なリズムを刻みヒールの音が近づいてくる

・・・綺麗な歩き方だな リズムもいい。

そう思ってふと左のサイドミラーを見る

足音の主は後ろからこちらへ向かっているようだ

 

ロングのきれいな水色の薄手のコートにベージュのタイトスーツ

左肩から短めのショルダーバックをかけ、右手に大きな紙袋を下げている

「・・・うん?・・・あれは・・・」

肩先まで伸びた栗色の髪に彼女にしては珍しく

はっきりとした顔立ちの化粧をしている

 

「最上さん?」

 

車を追い越そうとした彼女に声をかけるが

信号は赤から青に変わってしまった

彼女はどこから呼ばれたのか分らずにキョロキョロしている

 

窓から手をヒラヒラ振って前へと促し、少し前へと走った

それに気が付いた彼女は小走りに後を追いかけてくる

ハザードランプを点けて、左に車を寄せ窓から顔を出す

 

「やぁ、最上さん。もしかして今から社長宅へ行くところかな?」

 

「はい、マリアちゃんから呼ばれまして向かっているところです」

 

「俺も行くところだよ、一緒に行こうか、どうぞ?」

 

少し頬にピンクがさした彼女は随分大人になった

今年で18歳になるのか

 

「ありがとうございます、ではお言葉に甘えて…」

 

スルリと優雅な仕草で車の助手席に納まった彼女を見て

あなるほど、と思った

 

 

…続きます Next