はい、まずは動画を見て頂きましょう。
東京都サッカー協会HP 組み合わせ
9月18日、試合は帝京高校V.S.多摩大目黒です。
動画は2つありますが、それぞれ別角度から撮ったもので、同じ内容です。
①
②
見ていただけましたでしょうか?
流れを整理します。
------------------
帝京1-2で負けている後半ラスト1プレー。
帝京はロングスローで、多摩大目黒のゴール前にボールを送る。
帝京チャンス!!
↓
ゴール前混戦の中、多摩大目黒の選手が手足をグランドにつけた状態でボールを保持。
↓
主審は多摩大目黒の選手が危険な方法でボールを保持していると判断し、間接FKを指示。
尚、このとき主審は片腕を上げるという間接FKの合図を忘れている。
↓
蹴る直前、多摩大目黒の選手が前に動くが、そのまま帝京の選手がボールを蹴る。
↓
壁に当たり、結果多摩大目黒の選手が大きくボールをクリア。
↓
試合終了のホイッスルが鳴り、崩れ落ちる帝京イレブン。
勝利に喜ぶ多摩大目黒イレブン。
↓
間接FKの蹴る前に壁が前に動いたということで、やり直しに。
副審のとこにも何やら確認に行っています。
↓
その間接FKは結果ゴールに結びつき、同点で延長へ。
------------------
はい、こんな感じですね。
では順を追って検証しましょう。
【Ⅰ】
まず間接FKのファウルを取ったシーンですが、これは正しい判断です。
両手両足をグランドにつけた状態で多摩大目黒の選手がボールを保持していますね。
この場合、相手選手がボールを蹴ろうとしたとき、保持している選手も蹴ってしまいかねないので、多摩大目黒の選手は自らを危険な状況に追い込んでいるということで、間接FKが与えられます。
主審はきちんとファウルをとりましたが、自信が無かったのか、その後副審に何やら確認に行ってますね。
判定は正しいですが、腕で攻撃方向を指示していないのと、間接FKの合図である片腕を上げるのを忘れているのは気になるところです。
【Ⅱ】
間接FKキックの場面、蹴る前に多摩大目黒の選手が飛び出ていますが、気が付かなかったのか、そのまま続けさせて、結果ボールはクリアされます。
通常なら、ゴールしないとほぼ確定した時点で笛を吹き、間接FKのやり直しをさせねばなりません。
距離不足で前に出た選手に警告も必要でしょう。
ただ、多くの選手が飛び出ていると判断されるため、何人に出すかは判断の分かれるところです。
まあ見分けが付きにくいので、出すにしても1人がいいところでしょうか。
尚、多摩大目黒の選手が飛び出ていても、もしこのシュートがゴールに入れば、判定はゴールインです。
【Ⅲ】
ボールがクリアされたところで、主審は試合終了の長いホイッスルを吹いています。
しかしその後になんと間接FKのやり直しを命じました。
これが最大の焦点ですね。
通常、主審のミスには2通りに分けられるものです。
1つ目はそのように見えたミス。
これは例えばAの選手がBの選手にこかされたのでファウルをとったが、実は最初にひっかけたのはA選手だったというもの。
陰になっていて見えなかったなどの原因が多いですが、まあよく起こりがちで、常に付きまとうミスです。
2つ目はルールの適用ミスです。
例えばGKへのバックパスのファウルを間接FKでなく直接FKでとってしまったりという、ルール間違え。
このミスは言い訳が通用しない類のもので、上記とは一線を画すものです。
さて、今回の場合はこのルールの適用ミスであり、かなり致命的なものと言えます。
ルールも確認しておきましょう。
------------------
競技規則2011/2012の24ページ。
プレーを再開する前、または試合を終結する前であれば、主審は、その直前の決定が正しくないことに気づいた時、または主審の裁量によって副審または第4の審判員の助言を採用した時のみ、決定を変えることが出来る。
------------------
「または試合を終結する前であれば」とありますが、
言い換えれば、終了後に判定を覆すことは出来ないんですね。
今回は、帝京高校という全国屈指の知名度を誇る高校の試合だったことが、事件をさらに有名にしてしまいましたね。
次に検証するのは、審判の力量です。
すなわちこの審判の力量が、大会にふさわしいものだったかと言う点ですね。
東京都サッカー協会のHPを見ると、これは都の予選だったようで。
東京都予選の選手権までの道のりは以下のようなものです。
------------------
地区予選を勝ち上がる(8地区に分かれている)
↓
都予選に入り勝ち上がる
↓
全国選手権出場(東京は2校)
------------------
つまり2段階ですね。
ちなみに福岡県も同じような形式です。
------------------
地区予選を勝ち上がる
↓
県予選に入り勝ち上がる
↓
全国選手権出場(福岡は1校)
------------------
福岡県の場合、まあ県予選に入ると、2級が裁きますね。
3級が裁くなんて、ほとんど無い気がします。
そして準決勝、決勝あたりは当然1級登場となるわけですが。
今回の帝京V.S.多摩大目黒も地区予選の次の段階、都予選です。
では映像の主審が2級かというと、まあ違うでしょう。
ワッペンの色が見えませんが。レフェリングを見た感じ4級ではなかろうかと。
根拠としては以下です。
------------------
■映像②の方で、主審が副審の許へ確認しに行っているが、その副審の旗がプラプラしている。
3級レベルだと、通常そんなにプラプラさせないので、この副審は4級であろうと推定される。
■映像②で、その副審の許へ主審は2回確認に行っており、かなり意見を尊重し、頼っている。
よって副審と主審で力量に大きな差が無いことが推定される。
■審判の靴は暗黙の了解で黒であるものだが、主審、副審ともに白である。
■主審は間接FKを取った際、攻撃方向の指示と片腕を上げるのを忘れている。
また、実際に蹴るときも片腕を上げるのを忘れているように見える。
■試合終了の笛がなった後、判定を覆すことがルール上おかしいことに主審は気づいてないが、普通3級だったら知っている。
------------------
まあこんな具合ですね。
今回の件で考えた僕のことは以下です。
①ユーチューブで審判の誤審が広く知られることになり、ちょっと審判にとってはビクビクものだな。
気を引き締めていかないと。
②東京都は審判が根本的に足りていないようだ。
個々の能力向上、並びに絶対数の増加を行わないと今後同じような事件が起こるだろう。
ドラスティックな改革が必要だ。
今回の事件は勝った帝京、そして負けた多摩大目黒双方にとって後味の悪いものになってしまいましたね。
今後このような誤審が起こらないことを願うばかりです。
東京都サッカー協会HP 組み合わせ
9月18日、試合は帝京高校V.S.多摩大目黒です。
動画は2つありますが、それぞれ別角度から撮ったもので、同じ内容です。
①
②
見ていただけましたでしょうか?
流れを整理します。
------------------
帝京1-2で負けている後半ラスト1プレー。
帝京はロングスローで、多摩大目黒のゴール前にボールを送る。
帝京チャンス!!
↓
ゴール前混戦の中、多摩大目黒の選手が手足をグランドにつけた状態でボールを保持。
↓
主審は多摩大目黒の選手が危険な方法でボールを保持していると判断し、間接FKを指示。
尚、このとき主審は片腕を上げるという間接FKの合図を忘れている。
↓
蹴る直前、多摩大目黒の選手が前に動くが、そのまま帝京の選手がボールを蹴る。
↓
壁に当たり、結果多摩大目黒の選手が大きくボールをクリア。
↓
試合終了のホイッスルが鳴り、崩れ落ちる帝京イレブン。
勝利に喜ぶ多摩大目黒イレブン。
↓
間接FKの蹴る前に壁が前に動いたということで、やり直しに。
副審のとこにも何やら確認に行っています。
↓
その間接FKは結果ゴールに結びつき、同点で延長へ。
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はい、こんな感じですね。
では順を追って検証しましょう。
【Ⅰ】
まず間接FKのファウルを取ったシーンですが、これは正しい判断です。
両手両足をグランドにつけた状態で多摩大目黒の選手がボールを保持していますね。
この場合、相手選手がボールを蹴ろうとしたとき、保持している選手も蹴ってしまいかねないので、多摩大目黒の選手は自らを危険な状況に追い込んでいるということで、間接FKが与えられます。
主審はきちんとファウルをとりましたが、自信が無かったのか、その後副審に何やら確認に行ってますね。
判定は正しいですが、腕で攻撃方向を指示していないのと、間接FKの合図である片腕を上げるのを忘れているのは気になるところです。
【Ⅱ】
間接FKキックの場面、蹴る前に多摩大目黒の選手が飛び出ていますが、気が付かなかったのか、そのまま続けさせて、結果ボールはクリアされます。
通常なら、ゴールしないとほぼ確定した時点で笛を吹き、間接FKのやり直しをさせねばなりません。
距離不足で前に出た選手に警告も必要でしょう。
ただ、多くの選手が飛び出ていると判断されるため、何人に出すかは判断の分かれるところです。
まあ見分けが付きにくいので、出すにしても1人がいいところでしょうか。
尚、多摩大目黒の選手が飛び出ていても、もしこのシュートがゴールに入れば、判定はゴールインです。
【Ⅲ】
ボールがクリアされたところで、主審は試合終了の長いホイッスルを吹いています。
しかしその後になんと間接FKのやり直しを命じました。
これが最大の焦点ですね。
通常、主審のミスには2通りに分けられるものです。
1つ目はそのように見えたミス。
これは例えばAの選手がBの選手にこかされたのでファウルをとったが、実は最初にひっかけたのはA選手だったというもの。
陰になっていて見えなかったなどの原因が多いですが、まあよく起こりがちで、常に付きまとうミスです。
2つ目はルールの適用ミスです。
例えばGKへのバックパスのファウルを間接FKでなく直接FKでとってしまったりという、ルール間違え。
このミスは言い訳が通用しない類のもので、上記とは一線を画すものです。
さて、今回の場合はこのルールの適用ミスであり、かなり致命的なものと言えます。
ルールも確認しておきましょう。
------------------
競技規則2011/2012の24ページ。
プレーを再開する前、または試合を終結する前であれば、主審は、その直前の決定が正しくないことに気づいた時、または主審の裁量によって副審または第4の審判員の助言を採用した時のみ、決定を変えることが出来る。
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「または試合を終結する前であれば」とありますが、
言い換えれば、終了後に判定を覆すことは出来ないんですね。
今回は、帝京高校という全国屈指の知名度を誇る高校の試合だったことが、事件をさらに有名にしてしまいましたね。
次に検証するのは、審判の力量です。
すなわちこの審判の力量が、大会にふさわしいものだったかと言う点ですね。
東京都サッカー協会のHPを見ると、これは都の予選だったようで。
東京都予選の選手権までの道のりは以下のようなものです。
------------------
地区予選を勝ち上がる(8地区に分かれている)
↓
都予選に入り勝ち上がる
↓
全国選手権出場(東京は2校)
------------------
つまり2段階ですね。
ちなみに福岡県も同じような形式です。
------------------
地区予選を勝ち上がる
↓
県予選に入り勝ち上がる
↓
全国選手権出場(福岡は1校)
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福岡県の場合、まあ県予選に入ると、2級が裁きますね。
3級が裁くなんて、ほとんど無い気がします。
そして準決勝、決勝あたりは当然1級登場となるわけですが。
今回の帝京V.S.多摩大目黒も地区予選の次の段階、都予選です。
では映像の主審が2級かというと、まあ違うでしょう。
ワッペンの色が見えませんが。レフェリングを見た感じ4級ではなかろうかと。
根拠としては以下です。
------------------
■映像②の方で、主審が副審の許へ確認しに行っているが、その副審の旗がプラプラしている。
3級レベルだと、通常そんなにプラプラさせないので、この副審は4級であろうと推定される。
■映像②で、その副審の許へ主審は2回確認に行っており、かなり意見を尊重し、頼っている。
よって副審と主審で力量に大きな差が無いことが推定される。
■審判の靴は暗黙の了解で黒であるものだが、主審、副審ともに白である。
■主審は間接FKを取った際、攻撃方向の指示と片腕を上げるのを忘れている。
また、実際に蹴るときも片腕を上げるのを忘れているように見える。
■試合終了の笛がなった後、判定を覆すことがルール上おかしいことに主審は気づいてないが、普通3級だったら知っている。
------------------
まあこんな具合ですね。
今回の件で考えた僕のことは以下です。
①ユーチューブで審判の誤審が広く知られることになり、ちょっと審判にとってはビクビクものだな。
気を引き締めていかないと。
②東京都は審判が根本的に足りていないようだ。
個々の能力向上、並びに絶対数の増加を行わないと今後同じような事件が起こるだろう。
ドラスティックな改革が必要だ。
今回の事件は勝った帝京、そして負けた多摩大目黒双方にとって後味の悪いものになってしまいましたね。
今後このような誤審が起こらないことを願うばかりです。