久々にW杯決勝を振り返ってみましょう。
前半28分のプレー。
スパイクのイボイボが、モロにスペイン選手に入っています。
蹴りを受けたシャビ・アロンソはこの後、倒れて悶絶です。
これを目撃したハワード・ウェブ主審。
さてレッドカードかと思いきや、イエローカードで収めます。
この判定は、世界中で議論を呼びましたね。
あれは10人中10人がレッドカードを提示するであろうファウルだったからです。
一体何があったのでしょうか?
先日、このW杯を振り返って、この試合を裁いたハワード・ウェブ氏が述懐しました。
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国際審判員のハワード・ウェブ氏が、主審を務めた南アフリカ・ワールドカップ(W杯)決勝戦、スペイン対オランダ(1-0)の試合を振り返っている。
同試合で14枚のイエローカードを提示したウェブ氏は、オランダ代表MFナイジェル・デ・ヨングのプレーがレッドカードに値するものだったと認めた。デ・ヨングはスペイン代表MFシャビ・アロンソの胸に強烈なキックを見舞っていた。
「その試合で違う判定にすべきだったプレーはあまりなかった。だが、デ・ヨングのカードは違う色に変えるべきだった。あれはレッドに値した。W杯の決勝だから退場にしなかったわけではなく、私の視角の範囲の問題だった」
「私の視角からでは、彼の足が高く上がったことしか分からなかったんだ。その後にアロンソのリアクションを見て、何が起こったかを判断した。そして彼にイエローカードを提示したんだ」
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そう、ウェブ主審は決勝の大舞台で試合の行方を決定付けるレッドカードを提示するのを恐れたわけでなく、
死角の問題で見えなかったのですね。
蹴りの瞬間を見てみましょう。
右上に蹴りを入れるオレンジのデヨングと、蹴られる紺色シャビ・アロンソが見えます。
確かに主審の位置からは、ちょうどオランダ6番が障害物となり、蹴りが見えないですね!
いやあ、本当に審判とは難しいものなのですね。