新日本プロレス 

The New Beginning in Osaka 2020 20/2/9


IWGP Jr.ヘビー級王座戦
高橋ヒロム(c)対リュウ・リー

ヒロムの長期欠場の引き金となった宿命のライバルリュウ・リー(ドラゴン・リー)との再会は、エモーショナルにはさせる事なく、圧倒的なスピード+危険技てんこ盛りのフルスロットル。それに加えて、チョップの打ち合いを、胸が腫れ上がるまでとことんやりあう展開もプラス。シンプルにライバル関係をアピール出来て、組み立てを簡素化出来るので、ルチャ要素の強いこのカードが選ぶチョイスとしては悪くない。そのチョップ合戦を経た後は再びフルスロットルの展開へ。これでもかと身体を犠牲にしに行く極限スタイル。とにかく凄い攻防を叩き込む、このカード、ライバル関係だからこその内容ではある。しかし、高いレベルではあるものの、そこで頭打ちをしているので、どこまで身体を犠牲にして、死の手前までエグく見せても、食傷気味。それを求められているにしても、何か異なるアクセントを入れて欲しかったのが正直な所。好勝負。
評価:****

IWGP USヘビー級王座戦
ジョン・モクスリー(c)対鈴木みのる

ハードコアとシュートスタイルを絶妙な配分で行き来する展開。ノーDQにしないと納得出来ない位自由なリラックスド・ルール。互いに互いの特性や得意な領域を理解し、どんどん踏み込んでいく。モクスリーが対戦を熱望していただけある。みのるも対アメリカ人向けのアクションを取っているが、少しデフォルメし過ぎな所はある。もう少しクールに厳しく決めても良かった。しかしこのエピックカードに相応しい潰し合い。乱戦としてもエンターテイメントとしても優れており、国内外、WWE新日本両方のファンが観ても満足出来る内容となっている。好勝負。
評価:****

IWGPヘビー級王座&IC王座 ダブル王座戦
内藤哲也(c)対KENTA

KENTAのヒールプレイにヤキモキしながらも、得意の領域に持ち込んでいく内藤。ダウンベースは出来るものの、得意ではないので広がらない。KENTAがWWE的ヒールを捨てて、ハードヒットとハードパンプのノア的な削り合いの方が良くなったのは間違い無いが、あそこまで抗争がバズってしまったので、後戻り出来ない。介入、内藤の大流血から必殺技の攻防で体裁は整えたものの、戦前の大炎上を回収出来なかった。ルード風味のスカしたクールキャラでありながら、受けまくって大逆転。当然高いレベルにある中で、オカダや棚橋、ジェイにケニーとどのシチュエーションにも必ず好勝負以上で応え続けていた、その上がり切ったハードルに挑むには、マイナーチェンジはレスラー側か団体側が用意する必要はあるだろう。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

全体評価:8.5