Impact Wrestling 

Slammiversary XVIII 20/7/18
 

ラスカルズ(デズ&ウェンツ)対

モーター・シティ・マシンガンズ(アレックス・シェリー&クリス・セイビン)
ラスカルズのオープン・チャレンジに応えたのは、

SNSで登場を示唆していたMCMG。元タッグ王者、

TNAを代表する選手2人が帰って来てくれたことは本当に大きい。
MCMG、インパクト/TNAでは2012年以来の結成。

タッグとしては2018年のROH以来のタッグ結成となる。
ノースに続き現在の団体における2番手のタッグであるラスカルズだが、

久々のタッグ結成とは思えない程のタッグ力を見せるMCMGに圧倒される。

セイビンは、長期欠場明けという事もあり、

動きを確かめつつという所も見られたが、

その分昨年からずっと好調をキープし続けるシェリーがリード。

隠しきれない色気と細かな表現力は、

失ったスピードを補って余りある。

別に速度は早くなくても、

寸分の狂いも許さない連携技の決まり具合は感嘆の一言。

MCMGにうっとりしてしまう。ここまで仕上げて来てくれたのは嬉しい限り。

ラスカルズも反撃シーンでは得意の連携を見せるものの、

終始圧倒されていた。ラスカルズもまだまだ得意技は残していて、

場外ダイブすらもなかったので、もう少し試合時間、

ラスカルズのパートがあれば好勝負も狙えた内容。

只MCMGを立てる試合運びが出来たのは、

孤立パートを担当していたウェンツの巧さがあるからこそ。

動き回るだけではなく、黒子に徹しても良くなったのはレベルアップの証拠。

ここは無視出来ない。只、MCMG復活祭としては十分過ぎる内容。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

Impact Wrestling Xディビジョン王座戦
ウィリー・マック(c)対クリス・ベイ

新旧西海岸インディー黒人ハイフライヤー対決。
Xディビジョンらしいスピードに乗った技の打ち合い

。ベイは以前よりも洗練されており、既存の技に一つアクセントを加える、

その加え方のセンスが良い。身体能力の活かし方やテンポも良く、

見ていて楽しい選手になった。

これならわざわざリオ・ラッシュを呼ぶ必要はない。

対するマックは、格上らしく受けで試合を作りつつ、

軽快な重爆攻撃で色を添える。もうX級にいる選手でもなく、

不足しているヘビー級戦線に戻すべき。ベイを見事にキャリーしていた。

フィニッシュも、必殺の飛びつき式クルシフィックス・ボムが崩れたので、

即興でオスカッターを叩き込んだカバーは見事。そのマックの受けも最高。

短時間ではあったが見せ場を凝縮していた。中々良い試合。
評価:***1/2

Impact Wrestling世界タッグ王座戦
ザ・ノース(c)(イーサン・ペイジ&ジョシュ・アレキサンダー)対

ケン・シャムロック&サミ・キャラハン
基本的にはサミが受けて、要所でシャムロックが出てくる形だが、

ノース含め上手くシャムロックをコントロールしており感心。

大爆発はないものの、シャムロックがいてこのレベルを保てるのは見事。

サミ対ノースの絡みも安定。

そして何よりもノースの圧倒的なタッグ力の高さも素晴らしい。

まあまあ良い試合。
評価:***1/2


試合後、MCMGが再登場、次回インパクトでノースとのタッグ王座戦が決定!

Impact Wrestlingノックアウツ王座戦
ジョーディン・グレイス(c)対ディオナ・パラッツォ

まずジョーディンの肉体の仕上げ方が本当に素晴らしい。

強靭でありながら女性らしい美しさを増している。そこに最初に目を奪われる。
更にロックアップの力強さ、

そこから完璧なスープレックスにフルスピードのトペ。掴みは完璧。

これでは、ディオナは分が悪いかと思ったが、

必殺のフジワラ・アーム・バーに繋げる腕攻めを武器に反撃。

元々才能があるレスラーで、

これはインディーもしくはROHの女子部門で、

トップを張るか?という時期にWWEに移籍した選手。

移籍自体は惜しいなとは思ったものの、

WWEで身に付けた表現力が加わったので、より良い選手になっている。

腕攻めのバリエーションは持っているが、

腕攻め自体は地味。だが動き以外の部分、

間の使い方や展開の変え方が向上しているので、退屈はさせない。

支配シーンもコンパクトで、早めに終盤に行き、

終盤の一進一退を長めにしたのは正解。

型が定まっていないので不安定さは残るものの、

ジョーディンのパワー殺法対ディオナの腕攻め+投げ技は、

一定のレベルを保っていた。ジョーディンも投げだけではなく、

カウンターのリア・ネイキッド・チョークや飛び技もあり、

一本調子で無くなったのは大きい。

最後はディオナがザック・セイバーJr.ばりの腕関節で説得力十分のフィニッシュ。

良い動きはあっても、点にならずに、良くて平均的良試合位と思っていたが、

トータルの完成度が高かったのに驚き。

更に向上する可能性に満ちた良試合。セミ抜擢に応えた熱戦。

中々良い試合。
評価:***1/2

Impact Wrestling世界王者決定戦-

4ウェイ・エリミネーション
エディ・エドワーズ対トレイ対
エース・オースチン(w/マッドマン・フルトン)対ミステリー・オポーネント
ミステリー・オポーネントは、リッチ・スワン。

更に団体に復帰となるエリック・ヤングを入れて5ウェイに!

Impact Wrestling世界王者決定戦-

5ウェイ・エリミネーション
エディ・エドワーズ対トレイ対エース・オースチン(w/マッドマン・フルトン)対リッチ・スワン対エリック・ヤング

序盤は軽量級の選手も多いので、スクランブル的に技の打ち合い。

スワンのコンディションも問題なく、

エースやトレイらが軽快な動きを見せる。

エースに恨みを持つトレイやスワンの怒りを描き切るのは、

限界があったものの、連鎖攻撃も多く使っていて見栄えは十分。
トペ・スイシーダ式カナディアン・デストロイヤーという

高難易度技も飛び出した後、EYに花を持たせる形で、トレイを排除。
そこからはEYが支配するターンに。団体に帰還した元看板選手だけに、

支配ターンに時間を割いたのは正解。

その間にテーブル破壊でエドワーズとエースを、

しっかり排除したのも配慮が行き届いている。

スワンを痛ぶるだけ痛ぶった挙句丸め込みで敗退もお決まり。

そこからスワンを襲撃したシーンもTVプロレスを、

長くやっている元WWE同士だけあって流石に表現力が高い。

今後のストーリー作りにも余念がない。
瀕死のスワンを一蹴したエースとエドワーズが最後の2人。

エースのトリッキーな動きと安定のエドワーズ。

ライバル関係にもあった両者。

必殺技の応酬を交えた一進一退と

ニアフォールを交えた展開から、

奥の手ダイハード・フロウジョンを解禁したエドワーズの勝利。

持つべき人にベルトが戻って来た印象。


試合後には、エドワーズを襲撃したフルトンとエースを制裁すべく、

先日団体と契約したグッド・ブラザーズ

(“マシンガン”カール・アンダーソンとドク・ギャローズが登場。

久方ぶりのガンスタンと必殺のマジック・キラーを見舞い、自己紹介。

それで終わると思いきや、EC3のプロモが流れて放送終了と

てんこ盛りのメインイベント。メンバー的に実力はあっても、

絵力は弱いかと思ったものの、全編通して適切な配置が光っており、

インディーらしい派手な所とTVプロレスらしい管理も嵌っていた。

好勝負程突き抜けるレベルではなかったが、

試合運びはスムーズで、外したシーンはなく、

サプライズも多くメインとしては成功している。

好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:8.5