IWA East Coast 

Stiff Competition 07/8/8
ネクロ・ブッチャー対ブレイン・ダメージ
ダメージのラッシュからあっという間に場外戦へ。

その後に行われたMOPでの一戦と比べると、

拳での殴り合いを早くも乱発していて、

なおかつその間を埋めるスポットは少なく、

良くも悪くも殴り合いありきとなっている。

攻めでも狂気を出しながら流血に追い込むネクロと耐えた後、

倍返しに叩きのめすダメージは、

互いの強みを引き出し合える相性の良さを感じるが、

リングに戻ると早めに終盤を迎えるので、前哨戦の域は超えない。

フィニッシュも消化不良で物足りない。

それはあくまでもネクロとダメージという

極上カードだからこそ厳しく言っているだけで、

軽めでも他とは比較にならない程狂気に満ち溢れている内容をしているので、

殴り合いをメインに椅子と刃物位しか使わなくても、

一定のレベルは保証されている。中々良い試合。
評価:***1/2

IWA East Coast 

Masters of Pain 2007 07/11/24
1回戦-ダブル・ヘル・デスマッチ(ノックアウト・オンリー)
ネクロ・ブッチャー対ブレイン・ダメージ

上記の前哨戦を経て行われた決着戦は、

トーナメント1回戦でオープニング。

しかしそんなことは知ったことではないと序盤からフルスロットル。

有刺鉄線ロープを巡る攻防を軽くやった後は場外戦。

客席ひな壇でのパイルドライバーや

椅子に寝かしたネクロの頭目掛けてのニードロップ等定番ではあるが、

場外戦に入れることによって、

前半戦最大の目玉である椅子に座っての殴り合いが、

最大限際立つ。そしてその殴り合いは、スラップやエルボーではなく、

まさに全力ストレートナックルの応酬。

一撃で失神してもおかしくない程顔面を捉えているが、怯まない両者。

全デスマッチの中でも名シーンの一つに挙げられる凄さ。

ナックル否定派やプロレスをフェイクの代名詞に扱っている人が見ると、

気絶してしまうかもしれない。それ位の狂気。
只それでさえもまだ中締めに過ぎないのがこの試合。

有刺鉄線ネットトラップを巡る攻防を経てからクライマックスに突入。

そのトラップもデスマッチの中では地味ではあるが、

ロープの有刺鉄線とこの有刺鉄線トラップそして椅子攻撃で、

デスマッチ史に残る試合をしてしまうのだから、この2人は恐ろしい。

決着方法がフォールではなくKO(場外で一回カウントしていたが)なのが、

またこの2人の特性とマッチしている。

死力を尽くしてリアルにヘロヘロになっている両者が、

最後の力を振り絞って殴り合うラストも最高の画になる名シーン。

フィニッシュが失敗気味でも許される程のクライマックス。

プロレス史上No. 1の殴り合い。シュートを超えたプロレス。

それに加えて全体的な構築も、ロングマッチになってもダラけない。

暴力的でも一方では丁寧な作りをしているからこそこのクオリティになった。

デスマッチ史に残る死闘。文句無しに好勝負。
評価:****1/4