RevPro High Stakes 2020 20/2/14
SWE Speed King王座戦
リッキー・ナイトJr.(c)対ロビーX
アスリート体型ではないのに、オスプレイばりの身体能力を持つロビーと、期待の若手RKJ。
演舞的な内容中心に、中盤はキャリアに勝るロビーがそつなくこなし、
終盤は、ハイフライや大技攻勢で大爆発。
スピード・キング王座らしいスピーディーな攻防だけではなく、溜めるところは溜めて、
王座戦の重み、格を付ける。
これぞクルーザー級という凄技連発が1番の魅力だが、
スポットフェストにしたくなる所を耐えたのは見事。
SWEが解散し、レボプロに合流した事が、
好転していくのではないかと期待させる2人の激闘。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
ノーDQ
LAパーク対エディ・キングストン
キングストンがUKに長期滞在しているので実現したカードだが、
まさかレボプロで実現するとは思わなかった。
大御所パークに悪態をつきながら場外戦で圧倒出来る選手は中々いないが、
それを難なく出来るのはキングストン。
UKでは愛されレジェンド、USではマネージャーも強めの負け役もやりつつ、
ハードヒッターとしても復活し出したが、
こういうダーティーファイトこそクリス・ヒーローを散々苦しめたWar Kingの本領。
そんなキングストンをも、次第に自身の世界に持ち込むのが、
ベテランのキングストンよりも更に大々ベテランのパーク。
遺恨も何もない軽めのハードコアであっても、
それぞれの確固たるキャラクターと芸があって、
一定のやる気があれば、見応えのある試合になる。
最後はマッド・カートことカーティス・チャップマンの介入からフィニッシュ。
カーティスは愛されているのだなと思いつつ、相方のマギーではなくて、
チャップマンこそパークにボコボコにされてこそ箔がつくので勿体なかった。
しかしゲスト同士のミッドカードとしては申し分ない中締め。
中々良い試合。
評価:***1/2
RevPro統一ブリティッシュ・クルーザー級王座戦
エル・ファンタズモ(c)対”The OJMO”マイケル・オク
アナウンス中にファンタズモがオクをベルト攻撃で奇襲。
その後もG2S等大技で一気に追い詰める。
そこまで追い込んでも、
得意のスカしたヒールプレイを中心にペースを落として、
構築が出来るのが今のファンタズモ。
観客を見る時と見ないとの塩梅が丁度良くなっている。
気にしなくても確実に熱狂を起こせる自信が付いたのだろう。
対するオクもアンダードッグ性が光る、
まさにシンデレラ・ボーイたる所以を発揮。
表現力が格別に凄い訳でも、
アクション面が特別説得力がある訳でもないが、
得意のハーフボストンや身体能力の使い方が上手く、
一定の高水準にある事、
そしてこれまで、団体やUKシーン全体超新星の到来を盛り上げてきた、
そのシンデレラ・ストーリーが拙い部分を隠し、魅力を押し上げる。
そのストーリーに乗っかり、両者最高のパフォーマンスを見せ続けた。
BC歴代リーダー必殺技物真似シリーズといった見せ場も、
この試合の為にこれまでやってきたかというような見所になり、
オクも譲らずハーフボストンによる追い込みの力を最大限に活用。
更にレフェリー失神といったブッキング面も絶妙。
オクの戴冠というハッピーエンドを最高の内容で演出し切った激戦。
この試合でもメイン級の試合なのに、
更にこの後あんな試合が待っているとは。文句無しに好勝負。
評価:****1/4
RevPro統一ブリティッシュ・ヘビー級王座戦
ザック・セイバーJr.(c)対ウィル・オスプレイ
5スターマッチの条件は全編通して、
全ての攻防、シーンに意味があり、エネルギーが宿っている事。
ヘビー転向をしても、ジュニアのポテンシャルを落とさずに、
最高の完成度を維持し続けるオスプレイと、
変幻自在のテクニックで関節を極め続けるザック。
序盤は持ち技を見せながらも、ファストペースのレスリング。
場外戦でヘビーの威力を手にしたオスプレイがチョップで押すも、
ザックが隙を見て形勢逆転。
ウォルターと数々の名勝負を演じ、
散々ウォルターのチョップを喰らい続けたザック。
チョップの打ち終わりに形勢逆転に出る徹底ぶりは流石の一言。
そのまま完全には主導権を握らせないまま、
溜めは作るが停滞はさせない。切り返しは数々行うも、
そのラリーは全て違う見せ方。同じに見えても最後の落し所は、
それまでにもう一段重ねて行く。
終盤に出たオスカッターのシークエンスや、
正面からのヒドゥンブレードが最たる例だろう。
攻防終わりの一太刀は、全て最高に美しい。
重過ぎても軽過ぎてもダメ。
そのギリギリのラインを最高レベルで潜り抜けて行く。
極上の攻防の連続、軽量級の疾走感、ヘビー級の攻防の重み。
新日ヘビーの良い所を凝縮した展開に、パワーをつけ、
更に完全無欠になったオスプレイの底知れぬアスリートパワー、
そのオスプレイを持ってしても、
その力を無効化してしまうザックの関節技地獄。
隙を突いたクイックの脅威や取っておきのセイバー・ドライバー等
持てるテクニックを注ぎ込んだザックの支配力も素晴らしい。
ケチを付けるならフィニッシュまでにもう一発強烈な一撃を入れても良い程、
この試合のザックは恐ろしく高次元にいたので、少し呆気なく映ったが、それ位。
そうでなくても価値は全く落ちない。究極のマスターピース。
たった2か月で5スターマッチを2試合も作るオスプレイは驚異で、
そこをも上回る存在感を見せたザックも素晴らしい。
2週間前の名勝負を、その試合をすぐに超えて行く。
何度も言う。
恐ろしいとしか言いようがない。MOTY候補の激戦。
5スターマッチ。
評価:*****
全体評価:10