Impact Wrestlingは、

現在米国ではAXS TV(以前は新日本の放送を行っていたTV局、

昨年インパクトの親会社であるカナダのTV局アンセム社が買収)で、

ウィークリー放送を行っている。

通常米国、カナダ、メキシコ等でTVテーピングを行っていたが、

このCOVID-19の影響により、テネシー州ナッシュビル Skyway Studiosという会場で、

無観客による収録を行っている。

(テネシー州ナッシュビルは、前身団体TNAの旗揚げの地である。) 

WWE、AEWと並んで無観客試合を行っている北米の団体である。
その影響はロスターにも与え、

現在史上初の女性の世界王者となったテッサ・ブランチャードは出場不可。

(理由はアナウンスされていないものの、

恐らく婚約者のダガ(DRAGON GATEに参戦経験有)

とメキシコで暮らしている為、入国出来ない事が要因。) 

更に現タッグ王者のザ・ノース(ジョシュ・アレキサンダー&イーサン・ペイジ)は、

カナダ在住なので、彼らも入国不可と主力を欠きながらも、現有戦力に加え、

WWEが多くのレスラーを解雇する中、

昨年AEWを退団した女子のホープ、カイリー・レイ(Kylie Rae)

元SHIMMERタッグ王者にして、

ジェイク・クリストの妻でもあるベテラン、ネヴェア(Nevaeh)

NWAにも参戦経験のある黒人の女子レスラー、

ターシャ・スティールズ(Tasha Steelz)

そしてWWEではアビー・レイスとして参戦し、

女性初のChikaraグランド王者に輝き、現SHIMMER王者、

先日同じくインパクト所属、ラスカルズの一員、ザカリー・ウェンツとの結婚もした、

米インディ屈指の実力派キンバー・リー(Kimber Lee)

(この記事を書き上げた後の今週の放送で、数ヶ月前にWWE(NXT)をリリースされた

”The Virtuosa"ディオナ・パラッツォ(Deonna Purrazzo)の登場がアナウンスされた。

彼女もCOVID-19の影響がなければ、まだWWEにいたはずの有望株なだけに、

活躍が期待される存在。)

 

彼女達の他には、テッサ、現ノックアウツ王者ジョーディン・グレイス、

タヤ・ヴァルキリー、テニール・ダッシュウッド(元WWEのエマ)、

再契約をしたスー・ヤン(スージー)、ローズマリー、

ジェシカ・ハヴォックにキエラ・ホーガン等

WWE、AEWにも勝るとも劣らない女子部門が、同団体の大きな武器である。
 

Impact Wrestling 

Rebellion 2020 – Week1 20/4/21
Aディビジョン王座戦
エース・オースチン(c)対ウィリー・マック

 

Xディビジョン的なめまぐるしさはないけども、

オースチンはキャラがより立って風格が出てきた。

そのキャラを攻防にも取り込めており、

成長著しい楽しみな存在となっている。

対するマックは得意の重爆攻撃に磨きをかけており、

そこに便利技スタナーを有効活用。元々実力者ではあったが、

LUに代わる安住の地で、伸び伸び試合が出来ている。

こういうベビーヒールで王座交代の試合こそ観客が欲しいのは仕方ないが、

良いシーンも沢山あり、印象的な内容となっている。平均的良試合。
評価:***1/4

アンサクションド・マッチ
サミ・キャラハン対ケン・シャムロック

 

試合前の煽り映像がピーク、サミの作り込み、

プロモ力に元々映像作品には定評のある

インパクトが手を組めば、質の良い物が出来上がる。
後、シャムロックが年齢を感じさせない見事な肉体を見せ、エネルギッシュに動く。
別撮りのパートでは、

oVe解散ストーリーへと繋がるサミのoVeメンバーへの攻撃があるのみ。

元々シャムロックなので、内容は気にしてはいけない中で、

サミとインパクトはしっかりやる事やってくれている。安心感が違う。
評価:**1/4

Impact Wrestling #824 20/5/19
Impact Wrestling世界王座挑戦者決定トーナメント1回戦
サミ・キャラハン対マイケル・エルガン

 

現王者テッサが参戦出来ない間を繋ぐ為、行われている挑戦者決定トーナメント。
前王者サミと元々4月のPPVで、テッサに挑戦する筈だったエルガンの激突。
団体屈指の好カードは、AAWでは激闘を繰り広げ、

更にかつてIWA Mid-Southでは、

Grits N Gravyというタッグチームも組んでいた過去もある。
その中でサミは、先日のシャムロック戦での、

アンクルロックによる影響で脚を怪我している設定。

そこをエルガンが突く形。的確な痛めつけではあるものの、

その表現力に長けている訳ではないので、

サミのセルの上手さありきの脚攻めとなる形。

サミが入場から一貫して痛めているというアピールを行い、

とはいえ弱りすぎる事なく、ラフ攻撃は活用するものの、

正攻法でエルガンに立ち向かう。

フェイスターンの予兆もある、

ニュートラルな立ち位置である事も意識している為、

ある程度抑えた立ち振る舞いにならざるを得ないが、

エルガンが引き立つ様な試合運びも行っていて、

サミの引き出しの多さを堪能出来る試合となっている。

クライマックスもダメージを表現しつつ、

一進一退の肉弾戦でまとめて見せた。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4