BLP(Black Label Pro) 

Nobody Puts BLP In A Corner 20/1/18


BLPミッドウエスト王座戦
AJグレイ対ハマーストーン

米インディーマットでは少しずつ重用されているグレイ。

身体能力を含め一定のものはあり、悪くはないが、

これが武器です!という突出したものが、黒人選手以外になく、

他の売れている選手には劣っており、悪い意味でまとまっている。
その様なグレイを手玉に取り、MLW仕込みのヒールプレイと

高い身体能力が映えるパワフルな技で魅了するハマーストーンの良い所が、

一方的に出た試合。ハマーストーンは、これからもっともっと売れていくだろう。

平均的良試合。
評価:***1/4

ロッキー・ロメロ対オフィーディアン
時は流れ、プロレス業界において、

ベテランクラスになった曲者対決。

様々な団体に出て、

プラットホームとなる団体(新日とChikara)も持っていながら、

全然交わる事はなかった。

しかしこの試合では、彼等が辿ってきたプロレス業界の道筋を、

互いにぶつける様な激戦となる。

コミカル風味の挑発を見せるオフィーディアンに対し、

新日的な監督の動きでいなすロッキー。

そこからレスリングに入り、まずはオフィーディアンが、

持ち前の変幻テクニックで魅せると、ロッキーは、

翻弄される画を作りつつ、かつてはシュータースタイルだった、

そのテクニックを解禁し反撃。

グラウンドも得意な両者らしい鬩ぎ合いが展開される。

ただひたすら膠着状態ではなく、

軽量級的なキレのある動きは随所に散りばめていく。

終盤になっても、オフィーディアンの鋭い攻撃と

ロッキーの各種得意技攻勢でペースは落ちず。

BOSJやSJCに出しても良い位の充実度。

スタイルも違う関係性もなく、

特に何かが懸かっている訳ではない中で、

腕試しのみでテクニックも歴史も詰まった内容に、

仕上げて来たのは恐れ入る。

最後、ロッキーの必殺ディアブロ・アームバーや

オフィーディアンの必殺技に行く前に終わってしまったのは惜しかったが、

内容が濃い激闘となった。新日からロッキーを見たファンも、

PWGやROH時代を知っているファンも楽しめる内容で、

オフィーディアンの方も、Chikaraでの殺伐としたヒールスタイルではない、

ピュアな実力を観る事が出来るので、総じてこの2人に思い入れがある人や、

長年米インディーを見続けている人には必見の内容となっている。

好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4 (GMOTYC)

IWTV Independent Wrestling王座戦
ウォーホース(c)対カイリー・レイ

 

メタラーキャラのウォーホースと陽気キャラのカイリー、

異色過ぎるカードそのままに、ダンスタイムに入るかと思いきや、

ウォーホースがパワースラム。そこからはシリアスな肉弾戦。

パワー差はあるものの、実力差は余り無く、

実績で言えばカイリーの方が勝っているとも取れるので、格差も感じず、

まさに真っ向勝負という形。それは両者のスタイルに合っており、

スピードとハードを強く打ち出した形に、カイリーのクロスフェイスが、

アクセントとして効いている。

ウォーホースも一切の容赦無き攻撃を見舞いヒートアップ。

カイリーがウォーホースにパワーボムを決めるシーンは、

カイリーのアスリートとしての能力の高さが堪能出来るシーン。

激しくも清々しい激闘。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

BLP王座戦
エリック・スティーブンス(c)対”フィルシー”トム・ロウラー

後にMLWでは、チーム・フィルシーとして、

同じ軍団に属する両者だけあり、

堅い互いの肉体を削り合うゴツゴツとした攻防が続く。

序盤はリズムが合っておらず、

あえてスリリングさを出している訳ではないので、

中途半端な印象を受けたものの、

次第にやりたい事が共有出来る様になり、リズムが生まれて来る。

売れ線ではないものの、

熱量とそれに見合った激しさも面白さも備えている。

かつてのライバル、ロドリック・ストロングの得意技フルコースや

日本マットオマージュ全開にしたスティーブンスと、

MMA的なサブミッションを取り入れながらも、

プロレス大好き感を崩さないロウラーの、ハードヒッティング。

コツコツ積み上げて終盤にエネルギーが大爆発。

クライマックスは、確変した様な熱い削り合いを堪能出来る。

好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:8.5