WRESTLE-1「WRESTLE-1 TOUR 2020 W-IMPACT」
後楽園ホール大会 20/2/12
WRESTLE-1チャンピオンシップ
中嶋勝彦(c)対芦野祥太郎
芦野が倒されたTホークに勝ち、
ベルトを奪った稲葉を完膚無きまでに叩き潰した中嶋。
そして団体のエースであり最後の砦芦野が、背水の陣で挑むこの試合。
団体の命運を背負ったエース芦野が、
憎き外敵中嶋に奇襲を仕掛けスタート。
滅多にそんな事はしない芦野が、先制攻撃をしかけ、
飄々としている中嶋を痛めつけるのは新鮮で、
それだけ切羽詰まった状態であると示すには十分。
そして中嶋が、強烈な打撃とヒールプレイで逆襲。
ここ最近のシークエンスではあるが、
それに芦野がダウンベースの受けで見事に応えたのが素晴らしい。
カート・アングルにインスパイアされている所も大いにある芦野。
アメプロ的な見せ方も心得ている。これが出来る人がいない為、
中嶋のヒールプレイがただやるだけ、
「憎たらしいな」で終わっていた所を、
終盤の展開に結びつける事が出来た。これは大きい。
中嶋の猛打に対し、芦野はスープレックスとアンクルロックで応戦。
通常なら芦野が跳ね除けるシーンも、
攻守において中嶋の怪物ぶりが如何なく発揮されていく。
ユニットを飛び越えてW-1勢がセコンドに集まり、
芦野を応援するChikara的展開も試合を昇華させる。
度重なるアンクルロック地獄にも屈せず、
最後ドミネイトする様な形で締めた中嶋の狂気的な強さも際立った。
中嶋が理想とするベビーヒールの世界観+ハードヒットを、
中心としたタフマッチを、
一緒に作り上げる存在が遂に見つかった試合。
芦野は、強さ上手さだけでない、表現力の高さと
劣勢時の試合構築の上手さを見せ、多才である事を示し、やはり非凡であることを証明。
団体が無くなり、この状況でのリターンマッチがないことが惜しまれる死闘。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4
全体評価:7.5+