新日本プロレス
Destruction In Kobe 2019 19/9/22
鷹木信悟対後藤洋央紀
武骨な肉弾戦を軸に、多彩な技を使える上、
ジュニアにも勝る疾走感を出せる両者。
親和性のある2人ならではの、
見せ方試合の作り方の多彩な所を発揮した中盤までとギアを入れ替え、
フルスピードで突破しようとした終盤の肉弾戦。まさに理想的な試合。
何もかかっていない中でも、簡単に終わらせず、
王座戦ばりのボリュームで最後までやり切った激闘。
攻撃に目が行くが、両者の受けの技術も是非見て欲しい。
場面に応じた受けを使い分け、激闘に色を添えている。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4
IWGP IC王座戦
内藤哲也(c)対ジェイ・ホワイト
人気の高いヒール同士は、もはやニュートラルなベビー対決の様相を呈す。
ジェイが緩急をつけながら、後はこれでもかと一進一退の攻防。
切り返しの量はかなりの量を誇っており、
今の新日のトレンドを表している。
只この試合は特に、ロングマッチにする必要性は余り感じられず、
10分短くても良い程。余りにも切り返しを多用すると、少し下品に映る。
ジェイが、ヒールプレイを重視しなかった為、アクセントも弱い。
人気のある内藤なら、負けてもまた勝てば格が落ちないかと。
ブッキング面でも驕りがあったか。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:8
新日本プロレス Road To Tokyo Dome 19/12/21
CHAOS(石井智宏&ウィル・オスプレイ)対ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(EVIL&高橋ヒロム)
オスプレイとヒロムの攻防は完璧。さわりの攻防ですら極上。
前哨戦ながら熱さはしっかりと備わっていて、ドームも間違いないと感じさせる。
オスプレイ対ヒロム、石井対EVILが主だが、
オスプレイ対ヒロムに負けじと石井EVILも補佐はしつつも、
それぞれのパートでは熱い肉弾戦で盛り上げる。
更に見事な合体技・連携を決め、徐々にシングル2つではなく、
タッグマッチとしての凄さを増してくる。そしてニアフォールにカット連発で、
更にボリュームアップ。オスプレイヒロムのスピードに、
石井とEVILも問題なく付いていくのはやはり恐ろしい。
このカードでタッグ王座戦もして欲しくなる位な激戦。
好勝負。
評価:****
全体評価:7.5
新日本プロレス
G1 Climax 2019 - Day 15 19/8/7
Aブロック公式戦
KENTA対ウィル・オスプレイ
冒頭の演舞こそオスプレイ主導のものだが、
KENTAのヒール風味の構築にオスプレイが合わしていく格好。
ジュニアのレジェンドKENTAにかなり気を遣った展開で、
KENTAが打撃で押す形が続く。ダウンベースからの逆転劇も、
難なくこなせるオスプレイなので問題はないが、
この2人ならジュニアの試合というイメージがあり、
この段階では新日スタイルそしてヘビーとジュニアの狭間で苦しむ、
KENTAの悩みが勝ってしまった内容。
好勝負レベルには当然のように仕上がるのが、
今のオスプレイなので、そこは確実だが、
何とかオスプレイのハイレベルについていったけれど、
突き抜けたものではなく、このカードに見る夢は見れなかった。
只手を重ねて、今のヒールターンしたKENTAならもっと凄いものが観れる可能性は高い。
好勝負。
評価:****
新日本プロレス G1 Climax 2019
Day 18 日本武道館大会2日目 19/8/11
Bブロック公式戦
タイチ対石井智宏
川田の姿をチラつかせながらハードヒットで魅せるのが、
タイチのスタイルとして確立した一年だったが、
ヒールプレイ一切なしの真っ向勝負に、
挑んだ一試合だったのがこの試合。
遊びはあるが、無駄は一切ない。石井の世界観に真っ向から向き合い、
自らのハードヒッティングを提示する。バックドロップだけは、
ノーセルで起き上がるというアクセントも込めながら、
切り返しやノーセルという仕掛けを活用しつつ、スリリングな肉弾戦を展開。
勢いに乗り切って、ゾーンへ突入。何をやっても盛り上がる。
いや意図的に盛り上げるレベルまで昇華出来ている。
タイチの活躍が新日本の質を更に底上げした一年を、象徴する一戦。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4