Impact Wrestling 

Bound For Glory 2019 19/10/20
 

インパクト ノックアウツ王座戦
タヤ・ヴァルキリー(c)(w/ジョン・E・ブラボ)対テニール・ダッシュウッド

タヤの確実なヒールワークのもと、小気味良い一進一退の攻防を展開。

大一番ということで、気合いも入っているのか、

適当なブッキングを組んだり、軽い試合で終わらせたりはせずに、

ハードワークを怠らない。いくらテニールが実力があっても、

長期休養明けでビッグマッチから遠ざかっていた中でも、

タヤなら大丈夫だろうという信頼の表れ。

この試合でも上手くサポートしながら確実な試合運びを見せていた。

中々良い試合。
評価:***1/2


マイケル・エルガン対丸藤正道
天才過ぎるが故に、小橋やKENTAといったわかりやすい武器を持っている2人よりも、

アメブロで弾け切らなかった丸藤。ROHでの試合は、最たる例だろう。

どの攻防でも完璧に出来るが故に、わかりやすい凄さに落ち着けない所もあり、

日本のプロレスが一番力を発揮出来る選手という私は評価を持っている。

でもこの試合の相手は、インパクトが誇る名勝負メーカー・エルガン。

オールラウンダーとしての技巧もあり、わかりやすいストロングな部分も兼ね揃えていて

、日本のプロレスも熟知している。それもあり、丸藤の不足する部分を、

エルガンの豪快さが補完しつつ、丸藤もトラースキック&虎王連発という、

かつてなかった力押し出来る打撃の武器を惜しみなく使い、積み上げていった熱戦。

特別熱狂するポイントが少ないので、盛り上がりの面からすれば、

メルツァーが評価を低くしたのもわからなくもないが、

試合トータルの完成度の高さは他を寄せ付けない凄さがある。

エルガンの安定感が光った一戦。両国でのエルガン対杉浦戦もかなり期待しても良いだろう。

好勝負。
評価:****

インパクトXディビジョン王座戦-ラダー・マッチ
ジェイク・クリスト(c)対ダガ対エース・オースチン対

テッサ・ブランチャード対”エーシィー”エース・ロメロ
ハイフライングを織り交ぜた素早いスポット回しから、

主に巨漢ロメロが担当したハードなスポットが見せ場の一戦。

ごった煮カードも、実力者が揃っているカードだけあり、

合わないだろうなと思っていても、上手く合わせて来るのは流石。

こういう多人数戦を多くやってきた場数がモノをいっている。

そして場外の橋渡ししたラダーへのカナディアン・デストロイヤーを号令に、

ロメロの高所落下テーブル葬、OVEの介入、

テッサのシンデレラ・ストーリーを地獄に叩き落とすオースチンの仕込み杖攻撃と、

スラミバーサリーからのストーリー回収に相応しい畳み掛けは見事。

実力は有ってもシングルだと弱さがある癖の強い選手が揃っている中で、

丁寧にスポットを積み上げていった熱戦。ラダーを2つにしないと登れない

、体格の割に動けるといったロメロ(前日興行で契約し、参戦決定したばかり)を、

上手く扱っていたのも評価すべき。MOTNの好勝負。

評価:****

インパクト世界王座戦-ノーDQ
ブライアン・ケイジ(c)対サミ・キャラハン

ケイジ嫁メリッサへの攻撃が、抗争に火をつけ、

この試合がノーDQとなったことで、ハードコアへと転じることとなった。

試合はファストペースに、凶器攻撃少し織り交ぜながら、一進一退の攻防。

タッグも組んだことある仲で、勝手は知っているので、

攻防のクオリティは一定以上あり、両者共にハードコアもお手の物なので、

鉄柵や鉤爪攻撃といったハードなものも導入。良い試合だが、

メインの重みがあったかというと、性急過ぎて重厚感には欠ける出来。

これならテーブルにしろ、ケイジお得意のコンクリートブロック等交えた方が、

インパクトは強まったかと。内容が安定していただけに、特別な上積みが欲しかった。
中々良い試合。
評価:***1/2

全体評価:8.5