全日本プロレス 後楽園ホール大会 19/6/30
世界タッグ選手権試合
暴走大巨人(c)(諏訪魔&石川修司)対The End(パロウ&オディンソン)

場外乱闘からスタート。暴走大巨人が上手くキャリーしつつ、

巨漢は巨漢でも外国人にしか出せない荒々しさを、

ジ・エンドは持ってきてくれる。内容に新鮮さがある。
動ける方のオディンソンが奮闘して、試合を作っていたのが印象的。

ホットタッグ成立後は、暴走大巨人が攻勢を強めつつ、

スタミナに不安のあるパロウがピンポイントで活躍出来る様に調整し、

全員ダウンの展開、合体攻撃のシーン、控えがダウンする展開と、

試合構築の上手さが光る内容。ここまでお膳立てはあったけれど、

ジ・エンドも連携のバリエーションやオディンソンの粘り等体格だけではない事を示しており、

しっかりと活躍していたのは印象的。予想以上にかなり楽しめた激戦。

好勝負。
評価:****

三冠ヘビー級選手権試合
宮原健斗(c)対ヨシタツ

確固たる世界観を持つ両者のぶつかり合い。

それでいてパートナーだからこそ、理解し合っている攻防が多数あり、

世界観やスタイルが調和出来ている。ヨシタツの様々な仕掛けを受け止めて、

それを活かしつつ、リードしながら最後は突き放す。実力差は流石にある中で、

これ以上ない仕事ぶりは、絶対王者絶対的エースたる所以。

ヨシタツはヨシタツで、強さも上手さも、全盛期を更新し続けており、

その向上ぶりにはリスペクトを覚える。

器用な面と不器用な面を兼ね揃える不思議な魅力はあるが、

宮原のリードの中で、その魅力を良い方に発揮出来ていた。

パートナー対決ならではの深く混ざり合った激戦。
好勝負。
評価:****
全体評価:8

全日本プロレス 大阪・エディオンアリーナ大阪 

第2競技場 19/7/28
三冠ヘビー級選手権試合
宮原健斗(c)対ゼウス

一年前にゼウスが王座を奪ったホームタウン大阪で、

再度ベルトを取り返すべく再戦。

昨年の文体での一戦で、更にマスターピースへと近づいたものの、

それ以上に高みに到達したのがこの試合。

必殺技の見せ合いから場外戦へ移行するのは定番の流れ。

その中でゼウスが、逆水平チョップを武器にし始めた事により、

行間を埋める事が出来るようになり、試合運びが格段に向上。

パワフルな面だけでなく、飛べて関節技も出来る。

ストロングなオールラウンダーに変貌を遂げ、

宮原に依存しなくても試合を作れる様になったのが、数え歌になった要因。

中盤にゼウスがドミネイトするシーンをじっくり取ったのも、

宮原のダウンベースの構築が上手い事もあるが、

ゼウスに任せても間違いないと自他共に理解しているから。

そして終盤宮原の反撃から得意技・必殺技の応酬で、死闘モードへ。

ビッグマッチ感がひしひしと伝わるスケール感、間の取り方の上手さ、

シンプルから豪快なアクションの数々。マイナス面も全くない大激闘。

更に進化し続けている。過去を超えた名勝負。
評価:****3/4
全体評価:8+