OTT WrestleRama 3 19/6/23
 

ダービー・アリン対スコッティ・デイヴィス
スコッティの鋭い攻めとアリンの鋭い受け。

狂気を感じさせる受けを見せるアリンが、わざとらしくならないように、

スコッティがしっかりと厳しく攻めており、キャリアの少なさを感じさせない。

アリンの反撃からの攻防もメリハリが効いており、フロー感も見事。

ミッドカードながら2人の持ち味をかなり出せた熱戦。
好勝負。
評価:****

OTT ジェンダー・ニュートラル王座戦
マーク・ハスキンス(c)(ヴィッキー・ハスキンス)対テリー・サッチャー

ハスキンスの小気味良さと鋭さで、テリーを圧倒する形。

テリーもキャリアを考えれば、良く付いて行っているとは思うけれど、

ハスキンス・ワールドといった所を出ない。ハスキンスの巧さが光る内容。

ROHもシングルで信じて使ってあげてほしい。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

OTT世界王座戦
ジョーダン・デヴリン(c)対ショーン・ギネス

 

ヒールターンしたギネスとアイルランド人同士の王座戦。

ルックスは抜群で、動きもキレがある。

只ギネスの今やっているヒールスタイルであれば、

もう少し上背がないと成立しない。

迫力不足が出てしまう。そういった隙があるままだと、

エース・デヴリンの牙城は崩せない。ギネスの格上げ、プッシュのための試合で、

かなりデヴリンを攻め込んではいたが、まだ王座を奪い取るまではいけなかった。

どうヒールを突き詰めていくか、ギネスの今後に期待。

中々良い試合。
評価:***1/2

ウォルター対デヴィッド・スター
 

このカードは、好勝負以上が確約されているといっても良い黄金カード。

フォーマットは出来上がっており、後はどうアクセントを加えるか、

定石を踏まないか、そしてスターがいつ勝つのかの3点により、違いを生み出すのみ。

この試合は、25戦25連敗中、ウォルターへの恨みから親友デヴリンにも牙を剥き、

更にWWE対インディペンデントというイデオロギー対決も覗かせるなど、

静のウォルター、動のスターというような構図。
試合では、ウォルターのパワーとそれを切り崩すスターという構図はそのままで、

今回はよりシリアスに、やられながらも淡々とウォルターを追い詰めていく、

復讐マシーンと化したスターという新機軸を打ち出していく。

打撃を受けても、耐えて脚殺し、執拗な足4の字でウォルターを追い詰める。

当然ウォルターの強さは示されているが、勝ち続けている相手で、

なおかつ何も懸かっていない試合とあって、ウォルターが常にクールなのも良い。

そんな熱くならないウォルターにスターが用意したのは、

WWE UK王座ベルトを踏みつけるという暴挙。

「セルアウト野郎くたばりな!」と捨て台詞も吐きつければ、

流石のウォルターも怒り、牙を剥く。そこからの怒涛のクライマックスは、

2019年でもベストシーンに選ばれるであろう内容。

ウォルターへのコンプレックスがついに晴れたと思った中での、

ぬか喜びそしてデヴリンの登場から計算は狂い…というフィニッシュも絶妙。

三つ巴のねじ曲がった関係性が最高に引き立つストーリーラインと

それまでの確実な試合内容。実に考えられた素晴らしい名シーンの数々。

まだまだこの3人で楽しませてくれそう。
名勝負。
評価:****1/2

全体評価:9.5+