新日本プロレス DOMINION 6.9 In Osaka-Jo Hall 19/6/9

NEVER無差別級王座戦
タイチ(c)対石井智宏

ハードヒット&デフォルメしたダメージ表現の石井ワールドに、

時折チープショットは挟むが基本真っ向勝負で応戦。

タイチもハードヒット路線でヘビー級において居場所を作っており、対応力も十分。

単なるハードヒットのみならず、ジュニア上がりらしい動きやタイチが蹴り使いという事で

、新日のNEVER戦線にない攻撃も出来る目新しさもある。

川田ムーブもすっかり自分のものになっている。

肉弾戦に変化を加えられる両者ならではの好勝負。
評価:****

IWGP Jr.ヘビー級王座戦
ドラゴン・リー(c)対ウィル・オスプレイ

美しいシークエンス。リコシェ戦以降定番となった流れからスタート。

メインではない為、時間や魅せ方に制約がある中で、

相手がリーという事もあり、ルチャらしい展開、ハイフライングや切り返し重視、

よりアクティブにアスリート性を見せるスタンスで試合を進める。

そうすれば爆発力では業界屈指のリーが、

リミッターを外して試合が出来る。
実況席を破壊しそうになる程強力なトペやリーの各種攻撃も、

オスプレイの変幻自在の魅せ方で更にスケールアップ。

試合順からかクライマックスの死闘感が薄く、綺麗に流れ過ぎていたものの、

まさにベストバウトマシーンというべきオスプレイの実力が、またも発揮された内容。

リーも凄いけれど、オスプレイは別次元。名勝負。
評価:****1/2

IWGP IC王座戦
飯伏幸太(c)対内藤哲也

頭部への過激技とそれを印象づけるハードパンプ満載の内容。

相性抜群の両者がおりなす異形の愛。

飯伏にはトランキーロムーブは使わないので、

ロスインゴ前の内藤が顔を出すのがこの組み合わせ。

エプロンでのジャーマンは角度えぐすぎで、

その後も死を連想させる程の狂った攻防と受けが続く。

DDTでのオメガ戦やマイケル、伊橋との試合等たまに飯伏はこういう試合をしたがるので、

それが出てしまったかという形。確かに嫌悪感を示す人が多いのは無理もないが、

エプロンのジャーマンの前までや、危険技を除けば、

恐ろしく美しい攻防とフロー感が際立つ展開が続いており、

やはり相性抜群と思わせる内容もあり、

危険技のみで切り捨てるには勿体無い試合でもあった。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

IWGPヘビー級王座戦
オカダ・カズチカ(c)対クリス・ジェリコ

ジェリコがやりたい放題で場をコントロール。

オカダもジェリコに合わせた試合運びで対応。

ダウンベースにあえて連続攻撃を加えず、

対天龍戦の構築にアメプロ要素を加えた適切な対応を見せ、超一流たる所以を示す。

ジェリコもオメガ戦と比べれば、コンディションは良く、

オカダがハイスパートな展開にせず配慮した為、らしさがより出ていた。

お馴染みとなったハードコアも、

立てたテーブルをあえて使わないというミスリードを誘ったのも面白い。

丸め込み決着という配慮全開の結末。腑に落ちないファンも多いだろう。

昨年はオカダ対オメガの三本勝負だったのだから、それは仕方ない。

それでもまた違った機軸を示した興味深い内容であることには変わりなし。

好勝負。
評価:****

全体評価:9+