Impact Wrestling
Slammiversary XVI 18/7/22
1:フェイタル・4ウェイ
ジョニー・インパクト対石森太二対ピーティ・ウィリアムス対フェニックス
リッチ・スワンが負傷欠場。代わりはピーティ。地元ピーティが出たことによって、
試合の安定感も盛り上がりも増した格好となった形。
フェニックスが華麗な攻防でスティールしつつ、石森とインパクトもそれに続く。
普段手合わせしない4人だから、攻防にズレが生じるのはやむなし。
その中でも個性豊かな4人が、調整を加えつつ、自らの持ち味を存分にぶつけていく。
キックの打ち合いで全員ダウンのシーンや連鎖ダイブ等定番のシーンを配置しながら、
そこにアクセントを加えるのも忘れない。それぞれが配慮はしても、
遠慮することなく、己の力を示し合った激戦。
良い意味で軽過ぎない、しっかりとした内容となった。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
6:Impact世界タッグ王座戦-5150ストリート・ファイト
LAX(c)(オルティズ&サンタナ)(w/コナン)対
OGz(ホミサイド&ヘルナンデス)(w/キング)
徹底した乱戦。LAXの連携とハイフライングという補佐はあるけれど、残
りはこれぞストリート・ファイトというべきハードコア。凶器攻撃に拘った内容は清々しい。
ホミサイドが補佐に回り、ヘルナンデスが暴れまくる往年のOGzも見せる事が出来ている。
それでも中々良い試合レベルの内容で進んでいたが、
クライマックスにかけてのギアチェンジは凄まじく、
ホミサイドのテーブルへ突っ込むトペコンを皮切りに、
テーブル葬3連発で一気に持っていき、最後は画鋲を交えてフィニッシュ。
画鋲葬の演出もギャングの内紛らしい手法で唸らされた。
あのやり方を考えついたのは天才。
変に必殺技やテーブル等形に拘らなかったのが大きい。
このメンバーでこのクオリティは嬉しすぎる大誤算。
見事にギャングの抗争をプロレスに落とし込む事が出来た。
好勝負。
評価:****
7:ヘアー対マスク
サミ・キャラハン対ペンタゴンJr.
鮮血。マスク破り。乱戦。マスカラ戦の定石を踏みつつ、
それでいて狂気的に取り組んでいくこの試合。
ペンタゴンのスターパワーとサミの清々しいまでのダーティーワークが光る展開。
それに加え、この2人が選んだ凶器はなんと釘、
裏方のジミー・ジェイコブスの守護神ともいうべき凶器で、
ジェイコブス対BJウィットマーの様に、顔を血で真っ赤に染めながら、
互いに釘を打ち付け合う。デスマッチシーンで名を上げ、
ハードコアに絶対の自信を持ち、幾度となく闘ってきた両者の総決算がこの試合。
インディーでやってきたことを、メジャーのスケールでやってのける。
インパクトのカラーにぴったりな内容。
終盤もOVEの介入に椅子使用とニアフォールの攻防で手堅く盛り上げて幕。
前の試合にハードコアが既に2試合あった中で迎えたこの試合であったが、
デスマッチのテイストもハードコアのテイストも両方ある彼ららしい内容。
コアだけれど、コアに振り切りすぎなかったのも良い。
この試合単体でも素晴らしいが、この2人の今までの歴史を追ってこの試合を観ると、
更に興味深さ・面白さが増していくのも良い。
彼らのファンなら当然マスターピース。
かつてのストーム対ハリスや
ストーム対ルードのハードコアに匹敵する内容の死闘。
名勝負。
評価:****1/2
8:Impact世界ヘビー級王座戦
オースチン・エリーズ(c)対ムース
エリーズの上手さが光るメインイベント。
ムースのパワーを引き立たせる受けと、
細かなダーティーワークに試合構築の隙のなさ。
ムースが素材型の選手であることもあって、
良い意味で自分の思い通りに試合を動かす事が出来ている。
ムースもそれに乗っかって、インパクトのあるシーンを作り出していた。
王座交代しか考えられないシチュエーションの防衛劇ではあったが、
いつも以上に攻撃を畳み掛ける事で、カバーするのも忘れないエリーズ。
やはりクルーザー級には留めておけない選手という事を示した一戦。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:10