全日本プロレス
さいたまスーパーアリーナ(コミュニティアリーナ)大会 18/3/25
三冠ヘビー級王座戦
ジョー・ドーリング(c)対宮原健斗
大会場のメインとあってシンプルな内容。ジョーが体躯で圧倒し、
宮原が俊敏性と見劣りしない猛攻で耐えながら反撃する形。
徹底的に解り易さを追求した展開。
ジョーの誰が見ても強いという存在感と宮原のスター性があるからこそ出来る内容。
それに尽きる。当然もっとやれる事はあるのだが
、大会場のメインでやる内容としてはこれが正解である事は間違いない。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全日本プロレス 仙台サンプラザホール大会 18/4/7
2018 チャンピオン・カーニバル公式戦Aブロック
宮原健斗対鷹木信悟
団体のエース同士の一戦が開幕戦にラインナップ。
当然鷹木の脅威を示す内容になるものの、
宮原も華やかさの裏に嫌らしさも見せて、良いせめぎ合いとなっている。
ラフ殺法からのハードヒットと上手く移行してクライマックスへ。
見所である機動力のあるハードヒッター同士のフルスピードでの打撃の打ち合いは迫力十分。
シンプルな一進一退でも激しさをより演出できている。
いきなりの究極奥義ラスト・ファルコンリー炸裂というのも、鷹木のショーケースマッチで、
相手が三冠王者宮原を破る試合としては、申し分のない決着方法。
リーグ戦の開幕戦らしい内容の激戦。
好勝負。
評価:****
全日本プロレス 後楽園ホール大会 18/4/25
2018 チャンピオン・カーニバル公式戦Bブロック
秋山準対丸藤正道
言うまでもなく深い深い歴史を持つ両雄の5年ぶりの一戦。
優勝決定戦進出がかかる一戦以上に重い意味を持つ試合。
ベーシックなレスリングでも緊張感が桁違い。軽快な動きの丸藤を見切った秋山。
場外でのパイルドライバー、断崖式ニードロップは持ち技の範疇だが、
更にカーブストンプを加える所に特別な一戦という事を感じさせる。
当然加齢や社長業もあり、ノア時代とはコンディション面では落ちていて、
苛烈さもかつて程は出せなくなってはいるけれど、
今出せる限界値のキラーモードで丸藤を封じ込める。
激しい攻防の中にも十二分にノスタルジーを感じさせる展開が続く。
丸藤の猛攻を断ち切って、追い詰める秋山。綺麗に行くのではなく、
過去を清算しながら、今の持てる力を曝け出していく。単に凄い攻防だけではない、
関係性も含めた重厚な内容。安直に垂直落下や雪崩式、断崖式に頼る事なく、
打撃と重々しい空気感中心に激しさを表現したのは、この2人だからこそなのであろう。
それがしっかりと嵌っていた。
カード通りの特別な試合内容に仕上げて来た見事な好勝負。
評価:****
全日本プロレス 後楽園ホール大会 18/4/29
2018 チャンピオン・カーニバル公式戦Aブロック
石川修司対鷹木信悟
体格差の演出とハードヒットが基本軸。
流石の鷹木でも相手が石川なら劣勢になるシーンも多い中で、
やられて劣勢になるシーンではダウンベースと耐え姿を使い分けつつ、
攻めでは機動力全開にしながら、
重い一撃を見舞う前の小技や細かい動きを加えるテクニックを
疎かにしないのが、鷹木の凄さ。
石川のハードヒットもその鷹木の全力の姿を打ち破る為の破壊的なもので、
試合を更にヒートアップさせる。
機動力を持ったハードヒットの鷹木対体格差と重みにモノを言わせる
石川という対比を楽しめる内容。
それに必殺技の攻防とニアフォール連発を組み合わせるのだから申し分なし。
このチャンカンでしか観ることの出来ない最高のカードと極上の肉弾戦。
天晴れ。名勝負。
評価:****1/2