CWF Mid-Atlantic Battlecade X8 17/12/30
CWF Mid-Atlanticヘビー級王座戦
トレヴァー・リー(c)対ロイ・ウィルキンス

この1年も防衛を続けた絶対王者トレヴァー・リー。様々な難敵・形式・策略に立ち向かってきたトレヴァーだが、今回のお題はファースト・ブラッド戦という難題。更にコーチ・ジェミニ率いるオールスター軍のウィルキンス。ウィルキンスとはプロレス史に残る105分戦を戦った間柄。セコンドには宿敵エリック・ロイヤルも控えるという展開。トレヴァーがジェミニへスーパーキックを見舞い先制するも、当然ノーDQという事もあり、オールスター軍の介入に遭う始末。孤軍奮闘する絶対王者トレヴァー対手段を選ばないオールスター軍の、実質ハンディ戦ながらも一進一退の攻防を繰り広げていくという内容。ゲーム性の強いファースト・ブラッド戦においても、遺恨を優先させて戦いをしっかり見せていくのは見事。個でいえばトレヴァーの方が上だが、ストーリーとしつこ過ぎる位の介入に、更にそれを煽るウィルキンスのヒールプレイという展開。クラシカルだが現代的でもあるという面白さを兼ね揃えている。通常形式ばりに重厚な攻防を繰り広げていく中で終盤へ。流石にトレヴァーも今回ばかりは防衛は無理かという流れからの怒涛の追い上げに、椅子を使ってのハードコア要素、ブラスナックル攻撃からあわや王座交代かという演出までファースト・ブラッド戦ならではのシーンを出しながらも、その形式とは思えない程の充実感を見せる。軸は残しつつ、様々な付加要素を見せてボリュームアップしていく。最後もまさに薄氷の防衛というまさにCWFのフレアーという様な終わり方。賛否はあるけれども、この試合を抗争の決着点としないなら絶妙な締め方。試合後トレヴァーをオールスター軍が襲撃し絞首刑に上げて、ベルトを強奪するというバッドエンドも、来年に向けて興味を持たせる終わり方も見事。現代の勧善懲悪プロレスの流れとは逆行する所も見事。

ファースト・ブラッド戦としてはベストに近い内容。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4