NOAH Winter Navigation 2017 後楽園ホール大会 17/12/22
GHC Jr.タッグ王座戦
RATEL’S(c)(YO-HEY&HAYATA)対グルクンマスク&首里ジョー

ラーテルズの破天荒さとグルクンの技巧と空中戦を楽しむ大阪感溢れる内容。元ボクサーというジョーが一人パワーファイトを見せるかと思ったが、ひたすらチョップを繰り返す。重みを加えるが流れを止めてしまった原因にもなった。限界突破した内容ではなく、ある程度後ろに配慮したミッドカードの内容に収まった。
平均的良試合。
評価:***1/4

杉浦貴対ムース
ブライアン・ケイジの後はムースと怪物外国人ばかり当てられる杉浦。病み上がりプラス衰えが見え隠れする杉浦には厳しい試合ではあるが、ムースを跳ね除けるのではなく、ある程度受け入れた上で制すというベテランの味を見せたのは良く、ムースも一定の人気を経ている事もあり、粗はありつつもその類稀なる身体能力と大技の数々を見せる。

杉浦が受けに回った事により、上手く試合を回す事が出来た印象。
平均的良試合。
評価:***1/4

GHC Jr.ヘビー級王座戦
原田大輔(c)対田中稔

最強のジュニア戦士田中がノア侵略を目指す。その構図をまさに試合に反映させたストーリー・テリングマッチ。得意の腕攻めを軸にしながら、いつでも試合を終わらせる事が出来るという緊張感を保ちつつ、原田に全くペースを握らせないという強さ・上手さを感じる展開。動き自体も原田を凌駕するキレを誇っていたのは凄まじい。技巧でも動きでも流れを掴めない原田が、打開策として大技を連発するという流れもストーリーに沿っていて見事。中々流れを掴めないが大技攻勢が実り、裏必殺のターンオーバーニーを見せた上で、二発目の片山ジャーマンでフィニッシュというダメージ値を考慮した締め方も見事。ミノルスペシャルを見せなかったり、裏必殺を封印したままだったりしたのは詰めが甘かったものの、

田中稔ここにありを見せた内容。
好勝負に届かない良試合
評価:***3/4

GHCヘビー級王座戦
エディ・エドワーズ(c)対拳王

ハードなチョップ対蹴りという構図は、対潮崎と同じで、困っても打撃で何とか出来るという形。その中で柔を持って剛を制すと言うように、エドワーズの丁寧な試合運びが、拳王の棘を飲み込んでいく。要所で大技や危険技を挟んでボリュームアップしながら、打撃戦にジュニア上がりならではのスピーディーな攻防と多角的に構築していく盤石の展開。拳王はベビー寄りの立ち位置になって、本来持つ鋭さがマイルドになってしまっている感じがあり、物足りなさを少し感じるも、実力者である事には変わりはなく、エドワーズの構築にしっかり着いて行く事が出来ている。エドワーズの三沢殺法というノアらしさ、それを超えて行く新時代の旗手拳王という構図も盛り立てた。ROHの王者時代を見ている様な見事な王座交代劇。
好勝負。
評価:****

全体評価 8