新日本プロレス G1 Climax 27 Day4 後楽園ホール大会 17/7/22
Bブロック公式戦
ジュース・ロビンソン対EVIL

動けるヘビーらしくスピード感を大切にした展開。ただ攻防の最後は必ずインパクトの高い技で締めていく。韻を踏む様な攻防の数々と見事な落とし。そこにライジング・スター同士のエネルギッシュさが加われば面白くならないわけはない。クライマックスの同時ダウンや切り返しの連続そして最後のラッシュは圧巻の内容。メインでもおかしくない熱戦。好勝負。
評価:****

Bブロック公式戦
SANADA対鈴木みのる

全日でも凌ぎを削った両者が立場と場所を変えて再び相対する。かつての真田聖也の姿とは大きく変化した現在のSANADAに対して、それでもお前はおれの足元にも及ばないと支配するみのるの強さが光る内容。ひたすらラフと介入で弱らせた後は、必殺のスカルエンドを完璧に攻略した挙げ句一撃で仕留める。掌で踊らせる側と踊る側両方が上手くその姿を好演していた。SANADAもやられっぱなしではなく、パラダイスロックを決めた時の爽快感や、普段見せないエモーショナルな面を出して彩りを加えていた。過去から現在へと上手く点を線に変えてみせた内容。
中々良い試合。
評価:***1/2

Bブロック公式戦
ケニー・オメガ対タマ・トンガ

ファック・ジ・エリート、ファック・ザ・スーパークリックという言葉に象徴されるように、ジ・エリート対Core4というユニット内イデオロギー闘争に持ち込んだ内容。タマが、Core4のそれぞれの得意技を披露したり、途中でマイクを挟んだりとストーリー・テリングに拍車をかければ、オメガは気にせずリーダーとして完膚なきまでに叩き潰す。試合単体としても、スピードに乗った良い試合だが、この試合に至る背景も解れば更に面白い試合である。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

Bブロック公式戦
オカダ・カズチカ対マイケル・エルガン

観客の想いをストーリーとして試合に乗せていき、更に試合も超ハイレベル。まずエルガンが並外れたパワーでオカダに倒せるのではないかという期待を抱かせる。しかしその強さを引き出したオカダは、絶対王者の強さも見せた試合運びを行う。エルガンをアンダードッグとまではいかないが、最大の挑戦者として設定しつつ、オカダが長らくシングルマッチで負けていないという背景を活かしていく。エルガンの出世作というべき、ROHでの対デイビー・リチャーズ戦を彷彿とさせる展開。フロー感を残しながらもエルガンの大技とオカダのレインメーカー狙いの終盤。正調の必殺技を打った方が勝つという状況下で上手く変型で繋いでいくスリリングさがある。二人への声援が交互に鳴り響く中、エルガンのアップセットへの機運を打ち砕く連撃。紙一重の勝負の様で、大きな開きがある様に感じさせるオカダの絶対的強さ。攻防には全く隙が無い上でストーリー・テリングも完璧という見事な内容。名勝負。
評価:****3/4