新日本プロレス G1 Climax 27 Day1 

北海きたえーる大会 17/7/17
Aブロック公式戦
後藤洋央紀対石井智宏

ゴツゴツとしたハードヒッティングに同ロープ走りや相打ちと常に変化と緩急を付け続けるこのカードならではの肉弾戦。期待通りの内容だが、予想の域を越えないのも彼ららしい。

高値安定の内容だが、量産型の後藤対石井の内容。
中々良い試合。
評価:***1/2

Aブロック公式戦
棚橋弘至対ザック・セイバーJr.(w/エル・デスペラード)

改めてザックのショーケース的意味合いが強い内容。腕を痛めている棚橋は格好の獲物。ザックの腕攻め地獄の餌食になるも、中盤から棚橋も脚攻めを解禁した辺りから面白さも増してきた印象。完全に噛み合った感じではないものの、強引に良い試合に寄せていく様な試合運び。さすがに棚橋が勝つだろうと思わせといて、デスペラードの介入から腕関節地獄。これでもかというような長い時間かけて、棚橋からギブアップを奪うというまさかのアップセット。勝つにしてもPKかヨーロピアンクラッチかと思わせといてのギブアップ勝ち。

ザックの印象付け+因縁作りも成功した一戦。好勝負。
評価:****

Aブロック公式戦
内藤哲也対飯伏幸太

かつての盟友・ライバルが遂に遭遇。新日で変貌を遂げた内藤とWWEや世界のマットで進化を続けた飯伏。その変化を見せつつも、強い両者への思いが具現化する様な試合内容。終盤は序盤に内藤がコツコツと築いた首攻めの伏線を回収が如く、怒涛の首への攻撃の連続。両者この試合を大一番と設定して、大技の大盤振る舞い。ただ大味にならないのは所々で小技・新技に感情表現やダウンの演出を挟むことによって調節しているから。飯伏もスワンダイブ式ジャーマンにやり投げそして雪崩式パイルドライバーと本当に大一番や特別な相手にしか出さない過激な技で応える。

制御不能でのし上がった天才と制御不能な天才の激突に相応しい狂った好勝負。
評価:****1/4

G1 Climax 27 Day2 後楽園ホール大会 17/7/20
Bブロック公式戦
SANADA対EVIL

同門対決。ラフは使うが基本的には真っ向勝負。ある意味ラフも含めての正々堂々。最初のズルしていただきの未遂は意図が不明だったが、それ以外は、SANADAは身体能力を大きく活かし、EVILはパワー&テクニックで魅せる。互いの持ち味と引き出しをフルオープンにして挑んだ熱戦。同門ならではの読み合いとそれを上回る為の仕掛け。今回はSANADAの七色のスカルエンドの入りが光る。両者のシングル・プレイヤーとしてのポテンシャルが光った一戦。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

Bブロック公式戦
鈴木みのる対ケニー・オメガ

みのるの打撃と関節をスケールアップさせ、オメガは脚攻めによりペースダウン。ヒールユニットのリーダー対決だが、当然オメガが類似ベビーとなる。みのるも身体の衰えは顕著だが、棘がなくなってきた所は、今までの経験とラフでカバー。オメガのセルが上手さも光る。そして演出面も、レフェリー失神から両軍の介入を配置。今回はファレが出てくるサプライズで盛り上げると終盤は、みのるの執拗な膝攻めとオメガのVトリガー連射。彼らが意識していたのは数年前の鈴木みのる対AJスタイルズ。その時は指攻めで、みのるもまだ衰えを見せていなかったが、今回はオメガが上手く調整してみのるをスケールアップさせていたのが強く残る。当然みのるも奮闘したものの、最後オメガが強引に押し切った所に限界を感じてしまう。
好勝負。
評価:****