新日本プロレス DOMINION 2017 大阪城ホール大会 17/6/11

7:NEVER無差別級王座戦-ランバージャック・デスマッチ
鈴木みのる(c)対後藤洋央紀

熱戦続きの中で、こういう特殊形式の試合は大会的に試合単体のクオリティ以上の働きをする。リング上では通常の一進一退。リング外では乱闘というベーシックなランバージャック戦。終盤の攻防もこの二人なら、普通に試合すれば良い内容になるのだが、それに加えレフェリー失神、両軍入り乱れてから隠し玉タイチの介入とブッキング的にも上手く纏めてきた内容。後藤よりもセコンドのYOSHI-HASHIが目立った感は否めないが。
まあまあ良い試合。
評価:***1/2

8:IWGP IC王座戦
内藤哲也(c)対棚橋弘至

乱闘でスタート。手負いの状態だが果敢に攻める棚橋と、

それをいなして棚橋の負傷している右腕を壊しに行く内藤の構図。
脚攻め・首攻めの方法論を利用して、腕攻めにも応用させていた。リアルに状態が悪いであろう右腕の状態も相まって、悲壮感を演出出来ている。悲壮感だけではなく、もう一つのテーマとしてはマンネリ回避が挙げられる。いつもより感情を露にし、普段使わない引き出しも開けていく棚橋。内藤も裏技を使いつつ構築。ハイフライフロー連発で決めるかと思いきや、

サブミッションで押し切るなど、いつもとは違う試合展開で進めていく。

ドームで一度終わったこの対決をもう一度押し上げるには、これが必要だったのかと思わせる。怪我もマンネリも実際にある状況の中で、

それを上手く逆手に取って今までとは違う新たな試合内容で跳ね返したのは見事であった。好勝負。
評価:****1/4

9:IWGPヘビー級王座戦
オカダ・カズチカ(c)対ケニー・オメガ(w/ヤング・バックス)

世紀の名勝負早くも再戦。ドームで最高値になったライバリティーをこの試合も受け続き、試合を進めていく。繊細なレスリングも豪快な飛び技も荒々しい場外戦・ハードコアそして必殺技の返し合いも入れていく中で新たな要素として、オメガのベビーターンという仕掛けを持ってきた。オカダの無慈悲な猛攻に対して、BCの応援からコーディがタオル投入をしかけるもそれを拒否するオメガ、やめてくれと懇願するバックス。本場WWEでも様々なキャラを演じてきた演技派コーディの名演が光り、一気にオメガをダークヒーローとして押し上げる演出。オカダはそういう演技が出来るタイプではない中で、オカダをヒールにさせない丁度良い塩梅で、棚橋対中邑の様な関係性を完璧に確立した瞬間だった。もちろんそのシーンだけではなく、序盤の脚攻めから中盤の得意技の攻防&テーブルスポットそして終盤の限界突破し続ける消耗戦と、

フルタイムの中で全く無駄なシーンがないのが凄まじい。

いつ決まってもおかしくない場面の連続。

まさかここまで早くドームを超えてくるとは思わなかった上に、

柴田戦という名勝負すらも超えていくとは驚愕。
まさにパーフェクト。圧巻のフルタイム。歴史的な名勝負。5スター以上の5スター・マッチ。
5スターマッチ。
評価:*****