新日本プロレス DOMINION 2017
大阪城ホール大会 17/6/11
3:IWGP Jr.タッグ王座戦
ロッポンギ・ヴァイス(c)(ロッキー・ロメロ&バレッタ)対ヤング・バックス(マット&ニック・ジャクソン)
ロメロを徹底的に排除してバレッタを孤立させる内容。
リングで孤立させるのはバレッタだが、同時に控えのロメロへ腰攻めの一点集中を喰らわせるという難しい構築。バックスの試合構築の上手さは言うまでもないが、バレッタのシングル・レスラーとしての充実度がその構築を可能にしている。
孤立と細かな繋ぎそして大技での攻防と一人で何役も担っているのは見事。
バックスも難しい試合構築だけでなく、得意の連携にプラスアルファを加えながら、ローンバトルを魅力的に見せていく。ロメロへ交代後は定番の攻防で盛り上げていく。
バックスが必殺級の連携を大量に残す中で、サブミッションに拘って試合を決めたのは彼らの新境地。ただそれも様になっていたのは、本当にバックスの実力の高さを見せつけられた。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
4:IWGPタッグ王座戦
ウォー・マシーン(c)(レイモンド・ロウ&ハンソン)対ゲリラズ・オブ・デスティニー(タマ・トンガ&タンガ・ロア)
前の試合と打って変わって、動けるヘビー同士の重爆アクションの連発。ハンソンとロアが縦横無尽に暴れまくり、タマとロウが補佐を務める。インパクトを見せる事を重視した結果、驚愕の動きも数多く見る事が出来、単なるトイレ休憩にさせなかったのは、彼らの意地を見た。
ハンソン無双を凌いだGODが、カウンターのガンスタンで度肝を抜いた後、
レフェリー失神の隙を突いてフィニッシュ。最後だけ典型的アメプロ的な締め方だったが、
それ以外は日本人にもわかりやすい攻防の連続で非常に楽しめた内容。
中々良い試合。
評価:***1/2
6:IWGP Jr.ヘビー級王座戦
高橋ヒロム(c)対KUSHIDA
前回の秒殺劇を含め過去の同カードの対決とBOSJからの流れを汲んだ試合内容。
ヒロムは大技中心で攻め、KUSHIDAは、ナックルに場外戦も含め手段を選ばず勝ちを狙いに行くスタンス。ホバーボードロックを決めながら雪崩式の投げに新兵器バック・トゥ・ザ・フューチャーを加え更に試合の幅を広げた所を示す。ヒロムの先鋭的な攻めは非常に魅力的で、いつ終わってもおかしくない様な大技連発は、これまでの敗北を連想させるものである。そして今回はKUSHIDAが投げ・関節・打撃と多角的に面白い攻めを見せつつ、ナックル連発やアメドラ&オライリーばりのストンピング連打という苛烈な攻撃を連発し、キラーモードを解放。これまでの流れで、ブーイングが飛ぼうがラフもしようが、これ位しないと倒せないという所まで、ヒロムがKUSHIDAを追い込んだ結果が、鬼気迫るKUSHIDAの猛攻である。ヒロムの新兵器やカナディアン・デストロイヤーにタイムボムという必殺級の大技を出さない流れではあったが、KUSHIDAが新兵器を含め持てるものを全て注ぎ込んで押し切った一戦。ドームからBOSJを通して築き上げたストーリーを、ハードな試合内容と共に回収し切った渾身の一戦。
両国の秒殺劇を決して無駄にしなかった素晴らしい内容。文句なしに好勝負。
評価:****1/4