新日本プロレス Best of the Super Jr. 24 優勝決定戦 

国立代々木競技場・第二体育館大会 17/6/3
CHAOS(オカダ・カズチカ&外道)対バレット・クラブ(ケニー・オメガ&マーティ・スカール)
当然オカダ対オメガの前哨戦が一番のテーマ。必殺技の避け合い等部分的に過ぎない攻防しかないが、それも完璧な完成度で早くシングルが見たいとワクワクさせてくれる。
それだけではなく、オメガとマーティのタッグももう一つのテーマ。

アダム・コールの場合は、シングル・プレイヤーとしての個性や実績が強すぎて、

コンビという印象が付かなかったが、マーティはキャラクター的に参謀も出来る選手。

連携もスムーズで非常に楽しんで試合をしているのが伝わってくる。

外道に対してのローンバトルの際も、非常にソリッドなタッグワークを見せていた。

いつもより少しボリュームを増やした内容だったが、

特に印象的だったのはレインメーカーを、傘を開いて封じたマーティのプロレス頭の高さ。
 まさにレインストッパー。オメガ&マーティを堪能出来た一戦。
中々良い試合。
評価:***1/2

BOSJ24決勝
ウィル・オスプレイ対KUSHIDA

昨年の王座戦よりも進化し続ける両者の優勝決定戦。
序盤は、華麗なグラウンドの攻防の後、KUSHIDAが先に場外ダイブで先制。

そして腕攻めと脚攻めを同時に行うという高度な構築。

当然最終的には腕を狙うのだが、狙いを絞らせないという戦略を具現化した行動。

中々挑戦的な試みだが、これ位は難なくやってくるのがKUSHIDA。
二極攻めもそこそこにオスプレイも反撃。驚異的な身体能力を見せながら、

細かい痛み表現を忘れないのはさすが。選手としての完成度が上がっている事もあり、

場外ダイブや必殺技のバリエーションを使わなくても中盤を進められるのが大きい。打撃や関節技でもしっかり反撃してくる所が憎い。このままじわじわ上げてくるのかと思いきや、

オスプレイのSSPとエプロンでのリバース・ハリケーン・ラナにより空気は一変。

これから終盤に向けて一気にギアを上げていく。KUSHIDAは安定のホバーボードロックでの追い込みを中心に据えながら、迎撃式腕十字にリーサル・インジェクションを見舞い、対するオスプレイは、エセックス・デストロイヤーも解禁。極上の切り返しに強烈な技を並べても、その中で非情で苛烈な打撃合戦を終盤に据えてエモーショナルな面を強く演出したのは、只の華麗なジュニアの試合というだけではないというヘビー級がメインを張り続ける現状を変える為のメッセージとも取れる。カイル・オライリー、リコシェ、ヤング・バックスに川田利明。自らが過去に戦ってきた様々な相手の技を繰り出すのも、非常に興味深い。

過去の自分達も見せながら、最終的には常に未来へ向けて進化を続ける姿を示す。

まさにバック・トゥ・ザ・フューチャー。
クライマックスも、オスカッターとKUSHIDAの新必殺技バック・トゥ・ザ・フューチャーの使い勝手の良さが光った。ジュニアの最高峰であるのは間違いないが、それよりも階級関係なしに世界のトップ・オブ・トップの両者が全力を注いで築いた大熱戦。

アンチは内容と結果で黙らせる、それがエース。

今年の決勝も最高品質。文句なしに名勝負。
評価:****3/4