新日本プロレス 旗揚げ記念日 17/3/6
RPWブリティッシュ・ヘビー級王座戦
柴田勝頼(c)対ザック・セイバーJr
PWG世界王座とEVOLVE王座を持参し、
まさに米インディー・プロレスの王だといわんばかりの日本凱旋。
しかし、ホームであるRevProでは柴田に二連敗しているザックということで果敢に攻めていく。
メインではなくミッドカードであることや久しぶりの日本マットであるザックが、
相当気合いが入っているとあって、前の二戦にあった遠慮はなく、
常に試合が動き続けるアグレッシブな展開が続く。
中盤から終盤は、ザックのエグ過ぎる腕殺しがメイン。
迎撃式三角締めや久しぶりのジム・ブレイクス・アームバーも披露。
今までで一番良い出来だったが、待ち受けていたのは鈴木軍の乱入。
ザックの(準)レギュラーが決まりそうなのは喜ばしいけれど、
何も鈴木軍に加入しないでも良かったし、
何よりもこの試合はぶち壊してほしくなかった。
中々良い試合。
評価:***1/2

IWGP Jr.ヘビー級王座戦
高橋ヒロム(c)対田口隆祐
コミカル・キングの田口ジャパンの総帥が、
今回はシリアスな新日ジュニアの重鎮として、若き王者を翻弄する。
前フリから終盤まで徹底的にアンクルを見せ続けながらも、尻攻撃を中心に構築。
そして終盤にはどどんシリーズを含め、持つ引き出しを効果的に開けていく。
昨年のBOSJでの対オスプレイで見せた様な引き出し全開のファイトを披露。
対するヒロムも、危険技は多いけれどもドラゴン・リー戦の様な、
無理に破天荒な所に持っていくのではなく、
あくまでもテクニカルな田口を凌駕する為の武器として使っているので、
まだ嫌味はない。田口の翻弄にも引けを取らない挑発具合を見せていた。
激しいムーブを控えめにすると、中盤の構築力が弱くなるのは課題ではあるが
、曲者田口の全力を引き出したのは見事。
終盤には、キラーモードとなった田口が、
苛烈な攻撃対首への厳しい投げを連発するヒロムの一進一退。
切り返しも全て絶妙なタイミングで行っていて大満足。
ゴーバーの懲りもしない秒殺劇、ザックの鈴木軍加入と、
中々なバッドエンドだらけの一日を吹き飛ばしてくれた大熱戦。
文句なしに好勝負。
評価:****1/4

オカダ・カズチカ対タイガーマスクW
タイガーに徹するWと、Wから素を引き出そうとするオカダ。
現世代の旗手同士呼応するものがあるのか、
エキシビション的な試合から徐々に互いのイデオロギーを含んだ異質な試合になっていく。
試合をコントロールし続けたのはオカダ。Wの激しさを引き出しつつも、
身体能力を活かした攻撃で盛り上げ、
その後じっくりとした固め技で掌握。
声を荒げて、Wのキラーモードを引き出し、
激しさを帯びた相手の攻撃にはぐったりとした受けとカウンター技で応える。
新日のレギュラー相手には見せない、
W仕様の構築と切り返しセットを用意していたのは流石。
雪崩式タイガー・ドライバーという超大技こそ度肝を抜いたが、
Wがまだまだリミッターを外し切れていない中で、冗長なシーンも多くあったので、
好勝負にはならないものの、オカダの懐の深さと試合構築の上手さ、
そして日本プロレス界のエースとしての強さが光った一戦。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4