TNA Slammiversary XVI 16/6/12
1;Xディビジョン王座戦-フェイタル・4ウェイ
トレヴァー・リー(c)対エディ・エドワーズ対アンドリュー・エヴァレット対DJZ
ヘルムズ・ダイナスティのリーとエヴァレットは戦わず、エドワーズとDJZは、組みつつ戦いもする形。
基本的にはタッグと4ウェイ要素半々。
4ウェイとしては簡素な流れで、技を打ち合うもの。連鎖ムーブもほぼない。
だが腕利きの4人が揃っているので、一定のスピード感を維持し、
軽量級ならではの独創的なムーブを織り交ぜる。
DJZのルチャ感の強い軽快なムーブとエヴァレットの大飛翔が特筆的。
宇宙人ケブラーダの要領でコークスクリュー・セントーンを放つのは凄まじい。
終盤は、リーの独創的な得意技の数々で盛り上げてみせた。
ここが外れると厳しくなりそうだが、最低ラインを稼いでくれて一安心。
腕達者4人が期待に応えた平均的良試合。
評価:***1/4

5:キング・オブ・ザ・マウンテン王座戦
イーライ・ドレイク(c)対ブラム
ヘタレのドレイクと荒々しいブラム。
TVプロレス的には相性がよく、ブラムのラフさが活きてくる。
ドレイクもキャラは問題ないので、試合部分を突き詰めれば、
もっとロスターとして使えそうな印象。
評価:**1/2

6:イーサン・カーターⅢ対”ザ・ミラクル”マイク・ベネット(w/マリア・ケネリス)
EC3のスター性は団体随一。
ベビーになっても観客を乗せながら、体躯を活かした迫力のある攻撃をする。
対するベネット。長くROHでやっていただけあり堅実な組み立てをする。
ROHでは物足りないレベルでも、TNAでは貴重。
多彩な技を操り食い下がるも、TNA一番のスターEC3の対角線に立つ選手としては、
もう一つプラス要素がほしい。
ヘタレでも良いし、ヒールプレイも出来る選手なので、
マリアが怪我しているとはいえ地味な介入一回では物足りない。
攻防自体は、シンプルな一進一退。PPVでの試合を意識して、
必殺技返しに椅子への投げと特別感を出す工夫もしていた。
地味ではあったが、特別な試合にしようとする気概を感じる組み立て。
EC3の貫禄勝ちではあるが、予想以上にしっかりした内容の試合。
平均的良試合。
評価:***1/4

7:フル・メタル・メイヘム/フォールズ・カウント・エニウェア
ジェフ・ハーディ対マット・ハーディ
因縁の兄弟対決。ゴミ箱、椅子、キーボードにお馴染みテーブルとラダーを
多数使ったハードコア・ブロウル。
両者満身創痍プラスジェフはコンディション不良で
マットはレイヴェンの一番ダサい時みたいなキャラ変更とネガティブな面だらけ。
それでも身体を張り続けるのは素晴らしい他ない。
WWEでの試合に比べると、変な要素がなくある意味ピュアなハードコアになっている。
伸びしろはないが、現状でやれることはやって、要所を押さえた内容。
ラダーからのダイブは出来ない程の状態だが、
トップロープから場外テーブルへの一撃で溜飲を上げる辺りは流石。
平均より上。
評価:***

9:TNA世界ヘビー級王座戦-KO orギブアップオンリー
ドリュー・ギャロウェイ(c)対ラシュリー
元WWE同士の対決ではあるが、両者共WWE時代とは異なる魅力を身に着けて
進化し続けるレスラーとなっている。
動けるビッグマン同士の迫力ある攻防の中に、ギャロウェイは荒々しさ、
ラシュリーは爆発的な瞬発力にMMA的な攻防を積極的に取り込んでいく。
必殺技のスピアーとクレイモア(シック・キック)を得意技レベルに落とし、
MMA的サブミッション対アイアン・メイデン(ガルガーノ・エスケープ)という
関節技の攻防の応酬でも魅せていく。
中盤に勢いが落ちかけたものの、終盤にかけては気合の起き上がりや、
鉄階段やテーブルという凶器の力を借りて何とか勢いとクオリティを維持。
最後は、一瞬で決まるMMA的な決着の仕方だが、ベビー/ヒールが余り関係ないタイプの展開だったので、
迫力は薄まるが問題はない。
メインの重責を互いの持ち味を十分出しつつ、何一つ問題なく果たした一戦。
予想以上に良い安定感を持っていた試合。
中々良い試合。
評価:***1/2