ギミックマッチ特集第4弾。今回から2回に分けて、ストリート・ファイト戦を特集します。
今回は数多くあるストリート戦の中でも、屈指の盛り上がりを生むシカゴで行われた、シカゴ・ストリート・ファイトに特化して紹介していきます。最近ではアンブローズ対ハーパーも同形式で行われました。

ノン・サクション・シカゴ・ストリート・ファイト
セカンド・シティ・セインツ(CMパンク&エース・スティール)対ザ・プロフェシー(ダン・マフ&BJウィットマー)(ROH Death Before Dishonor 2 Night 2 2004/7/24)
全員が大流血となった大乱戦。激しい試合の中でプロフェシー軍の体躯にエースの直球ファイトそしてパンクの華が色を添えます。
椅子・ラダーに加え有刺鉄線角材&ボードも投入。有刺鉄線をパンクが被弾するという考えられない光景も見る事が出来ます。
椅子攻撃を受け合った末に、選手と客が椅子をリングに投げ入れるECWの名場面を再現。ここまで来れば脱帽の一言。
最後はBJをテーブル葬で仕留めホーム・タウン・ボーイズSCSの勝利で大団円。
シカゴの盛り上がりを全面に活かしつつ、試合としても過激度の高い好勝負となりました。

カム・アズ・ユー・アー シカゴ・ストリート・ファイト
ケビン・スティーン&スティーヴ・コリノ対コルト・カバナ&エル・ジェネリコ
(ROH/Bitter Friends, Stiffer EnemiesⅡ 10/4/24)
スティーネリコの抗争いよいよ開戦。血を血で洗うプロレス史に残る凄惨な抗争のハードコアシリーズ第一戦。
乱戦が得意なスティーン&コリノとカバナが憎しみの籠った拳と椅子を見舞えば、
ジェネリコの驚異的なムーブが的確に色を添える。
乱戦に+αを必ず加えてくるのがこの抗争の素晴らしさ。
もう1つ絶妙なのはスティーンとジェネリコが直接闘う比率。この後にシングルも控えている中で戦うし印象的なシーンはあるけれど、コリノとカバナを上手く交えて戦い過ぎないさじ加減も見事。
助演の地元出身カバナと白シャツで登場したオールドスクールの王コリノも十分すぎる働きで、抗争一戦目とは思えない過激度になります。
椅子、テーブル、ラダーだけでなくビール瓶やフォークという凶器を加え、バイオレンス度を上げる工夫も流石。
ジェネリコ一時戦闘不能時のカバナ孤立シーンをもっと印象的に作りたかったのと、椅子攻撃の激しさが足りない部分はあれど、復讐を誓いながらも被虐でも魅せるジェネリコ&カバナと狂乱の立ち振る舞いであるスティーン&コリノと両チームの特徴を最大限に活かした見事なハードコア・マッチでした。

シカゴ・ストリート・ファイト
オールナイト・エクスプレス対ブリスコ・ブラザーズ(ROH/Supercard of Honor VI 11/5/21)
最初からテーブルが出るなど前振りをしただけあって派手なスタート。
その後も両チーム拳中心の組み立てをしてストリート・ファイトということを意識付けしています。
チェーンも導入しブリスコズの残忍さを植え付けて満を持してラダー導入。
この後ラダー・ウォーがあることを考えてこれも伏線止まり。
フィニッシュもブック臭さが出てしまったのは残念だが、十八番のタイタス&ジェイの流血は鉄板で、
スティーンネリコの一戦には劣るが血生臭い一戦でANXの新たな一面を引き出した好勝負。

WWE王座戦-シカゴ・ストリート・ファイト
CMパンク(c)対クリス・ジェリコ(WWE/Extreme Rules 2012 12/4/29)
殴り合いでスタート。これまでの鬱憤を晴らすような攻撃。
過激度を上げる闘いや、拳中心のストリート・ファイトではなく、ストーリーを含めたストリート戦を繰り広げます。
この抗争のキーポイント「家族」と「酒」を絡めた中盤戦でパンクを追い詰めます。
ここらへんはジェリコの小ずるさが全開で素晴らしい。パンクは、久しぶりのロープ踏み外しや攻防が合わなかったりしたものの
、ジェリコのフォローにも助けられ、攻めたいけど空回りという役回りをシカゴという最高の舞台に助けられながら演じます。
終盤は、予想以上に大ボリューム。少し冗長に感じたがスペイン語実況席葬で取り返し。
これで決まるかという必殺技の攻防が何度も飛び出し、最後は剥き出しターンバックル~GTSで綺麗に締めました。
予想を裏切るボリュームさ+ジェリコのフォローの上手さが際立った上手くハードコアを絡めた好勝負です。
TNAのビア・マネー対決と比べて団体のカラーが出たハードコア戦ですね。