アルトコイン相場が盛り上がってくると、必ず話題になる指標があります。
それが「BTCドミナンス(ビットコイン支配率)」です。
ドミナンスが下がるほど、
- 「アルトシーズンが来た」
- 「BTCからアルトへ資金が流れている」
とポジティブに捉えられがちですが、 実は“下がりすぎたドミナンス”は、かなり危険なサインでもあります。
この記事ではクリプトワークスの視点から、
- BTCドミナンスが持つ本当の意味
- 過去サイクルで「アルト天井圏」と重なった水準
- ドミナンス低下が“チャンス”から“警戒”に変わる分岐点
を、できるだけ構造的に整理します。
1. BTCドミナンスとは何を示す指標なのか?
BTCドミナンスとは、
「暗号資産市場全体の時価総額に占める、ビットコインの割合」
を表す指標です。
1-1. ドミナンスの基本的な見方
- ドミナンス上昇 → 資金がBTCに集中している
- ドミナンス低下 → アルトコインに資金が回っている
このため一般的には、
- ドミナンス低下=アルトに追い風
と理解されることが多いですが、 重要なのは「どこまで下がるか」です。
1-2. ドミナンスは“相対指標”である
BTCドミナンスは、
- BTCが売られなくても
- アルトが異常に買われれば
下がります。
つまり、
ドミナンス低下=健全な資金流入とは限らず、 アルト側の“過熱”でも簡単に下がる
という点が重要です。
2. 過去サイクルに見る「危険なドミナンス水準」
では、過去の相場では BTCドミナンスがどの水準で“危険域”に入ったのでしょうか。
2-1. 2017年バブルのケース
2017年末のアルトバブル期、
- BTCドミナンスは40%前後まで低下
- ICO銘柄・草コインが乱立
- 「何を買っても上がる」空気が支配
この水準は、
資金がBTCから大きく離れ、 アルト側に“行き過ぎた期待”が集まった状態
でした。
結果として、 アルト市場は急激に冷え込み、 多くの銘柄が回復しないまま消えていきました。
2-2. 2021年サイクルのケース
2021年のアルトシーズンでも、
- BTCドミナンスは40%台前半まで低下
- DeFi・NFT・L1バブルが同時進行
- 後半ではミーム(DOGE・SHIB)が爆発
この時期も、
- 主要アルトはすでに高値圏
- 後発テーマ・ミームだけが加速
という末期的な構図が見られました。
そして、
- ドミナンスの下げ止まり
- BTC価格の失速
をきっかけに、 アルト全体が一斉に調整へ入っています。
2-3. 共通点:40%前後は“警戒ゾーン”
過去2回の大きなサイクルを見ると、
BTCドミナンスが40%前後に近づいたとき、 アルト市場は天井圏に入りやすい
という共通点があります。
もちろん市場構造は年々変化していますが、 「ドミナンスが下がりすぎると危険」という性質自体は変わっていません。
3. なぜドミナンスが下がりすぎると危険なのか?
3-1. 資金が“分散しすぎる”問題
ドミナンスが極端に低下する局面では、
- 資金が数百・数千のアルトに分散
- 一銘柄あたりの流動性が薄くなる
という状態になります。
この状態では、
- 小さな売りでも価格が崩れやすい
- 連鎖的な下落が起きやすい
ため、 「上には軽いが、下には非常に脆い市場」になります。
3-2. 質の低い銘柄が主役になりやすい
ドミナンスが下がりすぎる局面では、
- 大型アルトはすでに高値圏
- 残っている“上昇余地”を求めて
- 低時価総額・ミーム・草コインに資金が集中
しやすくなります。
これは、
「本来の成長」ではなく、 “最後の投機熱”が相場を支えている状態
に近いです。
3-3. BTCが“安全資産”として再評価されやすくなる
アルト市場が過熱しきると、
- 値動きが荒くなる
- 損失報告が増える
結果として、
- 「一度BTCに戻そう」
- 「現金化しよう」
という動きが出始めます。
これが、
- BTCドミナンスの反転
- アルト市場の急冷
につながりやすい構造です。
4. ドミナンス低下が“チャンス”から“警戒”に変わる分岐点
BTCドミナンスの低下は、 最初から危険なわけではありません。
4-1. 健全な低下
- BTCが高値圏で安定
- ETH・SOLなど主要アルトが主導
- 出来高が伴っている
この段階では、 アルト循環が機能している健全な状態です。
4-2. 危険な低下
- ドミナンスが急落・過去水準に近づく
- ミーム・草コインの比率が異常に高まる
- デリバティブの過熱が同時に進む
この状態では、
「アルトが強い」のではなく、 「BTC以外なら何でも買われている」
可能性があります。
この違いを見極めることが、 非常に重要です。
5. クリプトワークス的な実戦視点
5-1. 絶対値より「変化の方向」を見る
ドミナンスは、
- 何%だから即アウト
という使い方よりも、
- 下げ続けているのか
- 横ばいになったのか
- 反転し始めたのか
という方向の変化が重要です。
5-2. 他のサインと“セット”で判断する
BTCドミナンス単体ではなく、
- アルトの出来高
- リーダー銘柄の失速
- デリバティブの過熱
- ミームの末期化
と同時に起きているかを見ることで、 判断の精度は一気に上がります。
6. まとめ:ドミナンス低下は「祝福」でもあり「警告」でもある
BTCドミナンスの低下は、
- アルト相場の始まりを告げるサイン
- 同時に、行き過ぎると終盤を示す警告
という二面性を持っています。
過去サイクルでは、
- 40%前後まで低下した局面で
- アルト市場は天井圏に入りやすかった
という事実があります。
2025年以降も、 ドミナンスを
「下がっているか」ではなく、 「下がりすぎていないか」「反転し始めていないか」
という視点で見ることで、 アルト相場との付き合い方は大きく変わるはずです。
